7年ぶりの初めまして(全39話)
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沖矢からメールがきた。どうやら私に会いたいらしく私は着替える前にシャワーを浴び今日は洋装で家を出た。そうして車で工藤邸に向かえば昼の明るい日差しが車内に差し込んできてその眩しさに目を細めながら車を走らせる。
休日ではないが昼時であり車が詰まってしまうがまあいいだろう。別段急いでいるわけでもないしのんびりと走り工藤邸の前に車を停めるとインターホンを押した。
一応、もうすぐ着くと言ってあるので沖矢はすぐ顔をだし、やあ久し振りと声をかけられた。
「久し振り沖矢」
そう返し車を敷地内へと入れさせてもらえば、沖矢は私を誘って邸内へと足を踏み入れた。
そうすれば沖矢は笑みを浮かべたまま私の手を引き連れられたのはリビングで。
「確か奈々はダージリンだったな」
ふわりと香ったそれに頬を緩ませながらソファに座り沖矢が出してくれた紅茶に口をつける。フンワリとした味を楽しみながら紅茶をテーブルに置くと
「何か用事だよね、どうしたの?」
そう問いかければ沖矢は首に着けてあるチョーカーに指をあて変声器を切ると途端に赤井秀一になる。そうして秀一の口調で口を開いた沖矢は「実は」と。
「ベルツリー急行という電車があってな」
「ベルツリー」
「鈴木財閥が融資した電車なんだが」
「…ああ、園子ちゃん…」
「そうだ」
それがどうしたのかと問いかける視線を向ければ秀一は声を低くし
「少し問題が生じてな、奈々にも来てほしいんだ」
と。
「いや、でもそれっていつ?」
「来週だ」
「来週」
コナン君経由で相談事もあってな、それが厄介なんだ、そう言い切った秀一を見やりかけられた。「秀でも?」と首をかしげれば秀一はああと頷き私はカップを持ちながらもう一度口をつけ紅茶を口に含み先を促す。そうすれば秀一は口を開き
「安室君がその厄介事なんだ」
「安室さんもベルツリーに?」
秀一はもう一度「ああ」と頷き灰原さんは知っているか?と聞かれたので
「一回しかあったこたないけど、あの子がどうしたの?」
「あまり言えない事でな」
「そのくせ私を使おうとする」
そうため息を吐き出していれば秀一は苦笑いを浮かべるがその顔は沖矢のもの。
色々と言ってやりたいが身を隠しているのだから仕方がないとして、そして目の前に差し出されたのは丸いアーチのついた指輪。
「秀…何?告白?」
そう呟けば秀一は笑い「よく見てくれ」と言い、私は指輪をためつすがめつ眺めていきそこにはベルツリーと綴られてたる。
「これは?」
「ベルツリー急行の初運行のチケット代わりの指輪だ」
「へぇ、おしゃれぇ~」
そう呟きつつ見つめていればなんだかとって嫌な予感がしてソロリと顔を上げれば沖矢である秀一はニコーと笑い
「一緒に来てほしいんだ。君がいた方が動きやすいかもしれない」
「かもで連れていかれる私とは」
というか安室さんが厄介事とことは、安室さんもベルツリー急行に乗車するという事で。
「灰原さんを守るために動きたいんだ」
奈々がいた方が安室君もそう派手に動けないだろう、そこまで聞いて私は「待って」と口を開いた。
「安室さんが灰原さんに何かしでかすってこと?」
「ハッキリ言うとそういう事だ」
…零…一体何を…?いや、灰原さんも一体何?
そう考えそうになれば秀一は急かすように「どうだ?」と尋ねてきたので私は大きく息を吐き出すと
「分かった」
行けるように予定を空けておく、そう頷き、秀一は肩を下ろし「すまない、助かる」と言うと私は口を開き
「その代わりだけど」
「言ってくれ」
「安室さんが何をするのか全部教えて」
その私の言葉に秀一は黙りこむとむずかし表情を浮かべると
「付き合っていた奈々たちには悪いがハッキリ言うなら誘拐に近いものだ」
「ゆ、誘拐……?」
思ってもいなかった返答に言葉をなくしポカンとしていれば秀一も同じように渋い表情で、しかし至って真剣なまま
「俺がとある組織にいたことは話したが、安室君もその内の一人だ」
「…本筋?」
「潜入だ」
そう言いきってくれた言葉にホッとしそうになるも例え潜入だとしてもあんな幼い子を溶解だなんて大問題ではないか。そんな私に秀一は優しげな声で労るように
「例え仮の姿だとしても彼は動き辛くなるだろいし阻止もできるかもしれない」
「でも、なんで灰原さんを?」
「それは詳しくは話せない」
「そんな曖昧なままで協力しろって随分じゃない?」
「すまないとは思ってる」
奈々は秀一を見つめ本の少し顔を下に向けているその目を見つめれば秀一は顔をあげ見つめ返してきた。
「今はまだ全てを話せないが時が来たら君の質問の全てに答えよう」
「言ったな?」
「yes」
流暢なyesに頷いて「約束したからね」と呟いた。
「それでベルツリー急行に乗るのは安室さんと灰原さん、秀に私と他に誰が?」
「俺は関わらないように秘密裏で動くが、子供たちと毛利親子、鈴木園子に真純も乗車する」
その言葉と懐かしい名前に眉を落とせば秀一は私を見つめ
「俺の言う通りに動いてくれればそれで構わない」
と口を開き
「安室君に接触し灰原さんに害の無いように動いてくれ」
「詳しく」
そうして二人きりで話していればどうやら私は自由に動いてもいいが安室さんの枷となるべく振る舞いなるべく時間を稼いで足止めをするように言われ私は頷いた。
「でも、そっか…安室さん、そんなことしてるんだ……」
零の知ってはいけない事を知ってしまったようで、なんとも言えない感情に襲われてしまい、秀一は目を伏せ
「こんなことを頼んですまないが」
「うん、分かった、大丈夫」
私は視線を秀一に向けると笑って
「何かあったら秀!って呼ぶからね」
「勘弁してくれ」
そう二人で笑いあってしまった。