勝利の女神様に口づけを
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俺の両肩に巣食う2頭の龍は、今日も自由気ままに動き回っている。首を長く伸ばした先にいるのは、もちろん──
「ふふっ。紅龍に蒼龍ったら……」
2頭の間で微笑む女の様子に、無意識に顔をしかめてしまう。
「お前たち、あまり名前を困らせるな」
俺がたしなめても紅龍と蒼龍は気にも留めないどころか、さらにじゃれつく。
「大丈夫ですよ、マーベラス」
名前はそう言って2頭を優しく撫でるが、全然大丈夫ではない。主に俺が。
紅龍が這い回るせいで長いスカートは膝上まで捲れ上がって太腿が露わになり、蒼龍が胴体に巻きついたことにより胸が強調されている。
「いや、その、そうではなくて……」
紅龍と蒼龍は独立した意思を持っているとはいえ、俺の合図が無い限りは肩の上でじっとしている。が、名前を前にすれば話は別だ。あまりにも勝手に動き回るため、初めは余所者の彼女を警戒しているのかと思ったが、どうやらそうではないらしかった。2頭は名前を大層気に入っており、隙あらばこうしてちょっかいをかけている。
「いい加減に離れろ」
そう言って2頭を引き剥がそうと胴体を掴むが、全く離れる様子は無い。それどころか、さらに彼女にじゃれつく。まるで、俺に見せつけるかのように。
「あっ……」
名前が身を捩ったことで着衣が乱れた。これ以上は非常にまずい。早く何とかしなくては。
「うわっ!?」
事を急いだために手元が狂い、2頭が俺の手から逃れた。その拍子に身体がぐい、と引っ張られる。このままでは名前の上に倒れ込んでしまう。
「きゃあっ!」
咄嗟に伸ばした腕で彼女を抱き止め、もう片方の腕で自分の身体を支えて──
「大丈夫か!?」
怪我は無いか、と聞きかけて、ハッと息を呑んだ。掌に伝わる柔らかな感触。自分の身体を支えようと地面についたはずの手が、名前の胸を鷲掴みにしているではないか。
「キュワッ!?」
違うのだ、そんなつもりはなかった、これは事故だなどと言葉が浮かぶが動揺のあまり口には出せず、ただただ奇声を発することしかできない。慌てて手を離すが、名前は顔を真っ赤にしたまま俯いている。彼女の身体に巻きついたままの紅龍と蒼龍は、俺たちを囃し立てるように鳴いている。
物音を聞きつけた誰かがこちらにやってくる足音が聞こえる。しかも、一番面倒臭い奴の足音が。
「全く、一体何の騒ぎですか……」
扉の隙間からひょっこり顔を覗かせたグリムリパーと目が合う。側から見れば、完全に俺がエミを押し倒している状況だ。
「ニャガニャガ、これは失礼しました」
グリムリパーはニヤリと笑みを浮かべると、黒い装束を翻してすうっと姿を消した。
──後日。
「マーベラス、ちょっとこちらへ」
ちょいちょい、と手招きするグリムリパーのもとへ向かう。
「個人のお付き合いにあまり口出ししたくはありませんが、その……愛を育むのは時と場所を選んだ方がよろしいかと……」
「キュワァ゛ーーーッ!?」
「ふふっ。紅龍に蒼龍ったら……」
2頭の間で微笑む女の様子に、無意識に顔をしかめてしまう。
「お前たち、あまり名前を困らせるな」
俺がたしなめても紅龍と蒼龍は気にも留めないどころか、さらにじゃれつく。
「大丈夫ですよ、マーベラス」
名前はそう言って2頭を優しく撫でるが、全然大丈夫ではない。主に俺が。
紅龍が這い回るせいで長いスカートは膝上まで捲れ上がって太腿が露わになり、蒼龍が胴体に巻きついたことにより胸が強調されている。
「いや、その、そうではなくて……」
紅龍と蒼龍は独立した意思を持っているとはいえ、俺の合図が無い限りは肩の上でじっとしている。が、名前を前にすれば話は別だ。あまりにも勝手に動き回るため、初めは余所者の彼女を警戒しているのかと思ったが、どうやらそうではないらしかった。2頭は名前を大層気に入っており、隙あらばこうしてちょっかいをかけている。
「いい加減に離れろ」
そう言って2頭を引き剥がそうと胴体を掴むが、全く離れる様子は無い。それどころか、さらに彼女にじゃれつく。まるで、俺に見せつけるかのように。
「あっ……」
名前が身を捩ったことで着衣が乱れた。これ以上は非常にまずい。早く何とかしなくては。
「うわっ!?」
事を急いだために手元が狂い、2頭が俺の手から逃れた。その拍子に身体がぐい、と引っ張られる。このままでは名前の上に倒れ込んでしまう。
「きゃあっ!」
咄嗟に伸ばした腕で彼女を抱き止め、もう片方の腕で自分の身体を支えて──
「大丈夫か!?」
怪我は無いか、と聞きかけて、ハッと息を呑んだ。掌に伝わる柔らかな感触。自分の身体を支えようと地面についたはずの手が、名前の胸を鷲掴みにしているではないか。
「キュワッ!?」
違うのだ、そんなつもりはなかった、これは事故だなどと言葉が浮かぶが動揺のあまり口には出せず、ただただ奇声を発することしかできない。慌てて手を離すが、名前は顔を真っ赤にしたまま俯いている。彼女の身体に巻きついたままの紅龍と蒼龍は、俺たちを囃し立てるように鳴いている。
物音を聞きつけた誰かがこちらにやってくる足音が聞こえる。しかも、一番面倒臭い奴の足音が。
「全く、一体何の騒ぎですか……」
扉の隙間からひょっこり顔を覗かせたグリムリパーと目が合う。側から見れば、完全に俺がエミを押し倒している状況だ。
「ニャガニャガ、これは失礼しました」
グリムリパーはニヤリと笑みを浮かべると、黒い装束を翻してすうっと姿を消した。
──後日。
「マーベラス、ちょっとこちらへ」
ちょいちょい、と手招きするグリムリパーのもとへ向かう。
「個人のお付き合いにあまり口出ししたくはありませんが、その……愛を育むのは時と場所を選んだ方がよろしいかと……」
「キュワァ゛ーーーッ!?」
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