安い喧嘩
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ローグレスで贔屓にしている店で、オリジナルのピアスを作ってもらった
そんなにお金の余裕があったわけではないから、安めの石だけど
デザインも色も自分で選んだ
アイフリード海賊団副長、そして恋人のアイゼンとのお揃いのピアスが欲しかったのだ
『お揃いとか嫌がるかなあ………』
自分は先に耳に着け、アイゼンの分はケースに入れて
少し浮かれ気味に船へ戻った
「おっ、トシユキおかえり」
『ただいまー!ベンウィック!』
「なんか嬉しそうだな、いいことでもあったのか?」
『うふふ、何もないよー』
「なんだよ、教えてくれてもいいじゃねえかー」
『後で教えてあげるよ、ねえ、アイゼン何処にいるかわかる?』
「なんだよ副長絡みか?ちょっと読めてきたぞ?副長なら、多分広間にいるよ」
『ありがとう!』
どんな反応をしてくれるだろうか
そんなことを考えながら船の部屋の扉を開けると、黄色い頭が目に入った
『アイゼン!』
「ん、おう、トシユキか」
『ねえ見て見て!新しいピアス!』
髪を耳にかけてアイゼンにピアスを見せた
「おぉ、新しいものを買ったのか」
『これね、自分で石をえら』
「ん?ちょっと待てお前、この石安物だぞ?店側に言いくるめられて買ったんじゃないだろうな?」
『えっ、あ』
「お前の目は確かだったよな?色に惹かれたのか?確かに良い色はしているが…………良いピアスが欲しかったのなら俺が買ってやったのに………って、どうした」
『アイゼンは、高いものの方が価値があると思う?』
「うん?それはそうだな、価値があるからこそ物には値段がつくんだ。それに値段はそのものの価値の判断基準に」
『わかった、もういい』
「あ?なんだもういいって」
『安物に興味がない貴方とはもう話したくないって言ったの』
「なんだそれは、自分で見せつけておいて。俺は事実を言ったまでだろうが」
『うるさいなあ!!!そうだよあたしが悪かったよ安物を見せびらかしてすいませんでした!』
「おい待て何をそんなに怒って」
アイゼンが掴んだ腕をトシユキは振り払った
『さわらないで』
「っ…」
速足で歩いていくトシユキの瞳に涙が浮かんでいたのをアイゼンは見逃さなかった
「なんだ………なんなんだ……」
困惑するアイゼンにベンウィックが歩み寄った
「あーあ、副長やっちまいましたね」
「俺はなにもしてねえぞ」
「なにもしてなかったらトシユキが泣くわけないじゃないすか」
「そ、それもそうだが……」
安物と言ったのが悪かったのか?
とりあえず話をせねばとトシユキを探す
「おーい、トシユキ、どこだ」
大声で呼び掛けても返事はない
船員に訊いても知らんという
まさかこんなところには居ないだろうと思いながら倉庫の扉を開ける
『……なんで来るのよ』
トシユキは体育座りで床に座っていた
「なんでこんなところにいる」
『なに、あたしのこと探したの?安物を買うような女、貴方には必要ないんじゃない?』
「おい、なに怒ってんだ」
『怒ってないもん』
「ちゃんと話してくれんとわからねえ」
『知らない、っ…アイゼンには関係ない……』
「あー、もう、だから、泣くなよ……」
またぼろぼろと泣き始めるトシユキの背中をアイゼンがさする
「悪かった、俺が悪かった。ほら、トシユキ、自分で選んだものに自信をもて、俺なんかが言うことをいちいち真に受けてたらきりがないぞ?」
『…それ、自分で言う?』
「こうでも言わんとお前が折れないだろ」
『………あたしも、ごめん、突然怒って』
「やっぱり怒ってたんじゃねえか………ちゃんと話してくれ」
『………嫌な顔しない?』
トシユキはアイゼンを見上げる
「しねぇよ、」
アイゼンの口角が上がったのを確認したトシユキはおずおずと話し始める
『あのね、わたし、アイゼンとのお揃いのピアスが、ほしかったの。でも、そんなに高いものは買えないから、色と形だけでも素敵な、その、結局これを買ったんだけど、最初に着けてるの見せて、そのあと、お揃いのをプレゼントだよ、って、渡そうと思って……』
トシユキは小さな紙袋をアイゼンに差し出す
中には、トシユキの耳に付いているものと同じピアス
『ごめんね……アイゼン、こんなのつけないよね。ちゃんと二人で相談すればよかった。そしたら、こんな……』
ガバッ、とアイゼンはトシユキを抱き締めて
「俺は馬鹿か……すまん、本当にすまん。俺は、俺はなんてことを………」
『アイゼンは謝らないで……あたしが、勝手に』
「はやくそれ寄越せ」
『えっ、でも…』
「うるせえ、トシユキからのプレゼントなら、どんな高いものよりも俺のなかでは価値があるんだよ」
『アイゼン……うん、はい、これ、プレゼント』
「……ああ」
ピアスを取り出して、すぐにつけた
『、つけてくれるの?』
「お揃いの意味がないだろ?」
『えへへ……うん!』
「もうお前を怒らせて泣かれるのは御免だ」
アイゼンはトシユキの頭をがしがしと撫でて、手をとって倉庫を出た
二人の耳元で
海から反射した光が、同じ色に輝いていた
そんなにお金の余裕があったわけではないから、安めの石だけど
デザインも色も自分で選んだ
アイフリード海賊団副長、そして恋人のアイゼンとのお揃いのピアスが欲しかったのだ
『お揃いとか嫌がるかなあ………』
自分は先に耳に着け、アイゼンの分はケースに入れて
少し浮かれ気味に船へ戻った
「おっ、トシユキおかえり」
『ただいまー!ベンウィック!』
「なんか嬉しそうだな、いいことでもあったのか?」
『うふふ、何もないよー』
「なんだよ、教えてくれてもいいじゃねえかー」
『後で教えてあげるよ、ねえ、アイゼン何処にいるかわかる?』
「なんだよ副長絡みか?ちょっと読めてきたぞ?副長なら、多分広間にいるよ」
『ありがとう!』
どんな反応をしてくれるだろうか
そんなことを考えながら船の部屋の扉を開けると、黄色い頭が目に入った
『アイゼン!』
「ん、おう、トシユキか」
『ねえ見て見て!新しいピアス!』
髪を耳にかけてアイゼンにピアスを見せた
「おぉ、新しいものを買ったのか」
『これね、自分で石をえら』
「ん?ちょっと待てお前、この石安物だぞ?店側に言いくるめられて買ったんじゃないだろうな?」
『えっ、あ』
「お前の目は確かだったよな?色に惹かれたのか?確かに良い色はしているが…………良いピアスが欲しかったのなら俺が買ってやったのに………って、どうした」
『アイゼンは、高いものの方が価値があると思う?』
「うん?それはそうだな、価値があるからこそ物には値段がつくんだ。それに値段はそのものの価値の判断基準に」
『わかった、もういい』
「あ?なんだもういいって」
『安物に興味がない貴方とはもう話したくないって言ったの』
「なんだそれは、自分で見せつけておいて。俺は事実を言ったまでだろうが」
『うるさいなあ!!!そうだよあたしが悪かったよ安物を見せびらかしてすいませんでした!』
「おい待て何をそんなに怒って」
アイゼンが掴んだ腕をトシユキは振り払った
『さわらないで』
「っ…」
速足で歩いていくトシユキの瞳に涙が浮かんでいたのをアイゼンは見逃さなかった
「なんだ………なんなんだ……」
困惑するアイゼンにベンウィックが歩み寄った
「あーあ、副長やっちまいましたね」
「俺はなにもしてねえぞ」
「なにもしてなかったらトシユキが泣くわけないじゃないすか」
「そ、それもそうだが……」
安物と言ったのが悪かったのか?
とりあえず話をせねばとトシユキを探す
「おーい、トシユキ、どこだ」
大声で呼び掛けても返事はない
船員に訊いても知らんという
まさかこんなところには居ないだろうと思いながら倉庫の扉を開ける
『……なんで来るのよ』
トシユキは体育座りで床に座っていた
「なんでこんなところにいる」
『なに、あたしのこと探したの?安物を買うような女、貴方には必要ないんじゃない?』
「おい、なに怒ってんだ」
『怒ってないもん』
「ちゃんと話してくれんとわからねえ」
『知らない、っ…アイゼンには関係ない……』
「あー、もう、だから、泣くなよ……」
またぼろぼろと泣き始めるトシユキの背中をアイゼンがさする
「悪かった、俺が悪かった。ほら、トシユキ、自分で選んだものに自信をもて、俺なんかが言うことをいちいち真に受けてたらきりがないぞ?」
『…それ、自分で言う?』
「こうでも言わんとお前が折れないだろ」
『………あたしも、ごめん、突然怒って』
「やっぱり怒ってたんじゃねえか………ちゃんと話してくれ」
『………嫌な顔しない?』
トシユキはアイゼンを見上げる
「しねぇよ、」
アイゼンの口角が上がったのを確認したトシユキはおずおずと話し始める
『あのね、わたし、アイゼンとのお揃いのピアスが、ほしかったの。でも、そんなに高いものは買えないから、色と形だけでも素敵な、その、結局これを買ったんだけど、最初に着けてるの見せて、そのあと、お揃いのをプレゼントだよ、って、渡そうと思って……』
トシユキは小さな紙袋をアイゼンに差し出す
中には、トシユキの耳に付いているものと同じピアス
『ごめんね……アイゼン、こんなのつけないよね。ちゃんと二人で相談すればよかった。そしたら、こんな……』
ガバッ、とアイゼンはトシユキを抱き締めて
「俺は馬鹿か……すまん、本当にすまん。俺は、俺はなんてことを………」
『アイゼンは謝らないで……あたしが、勝手に』
「はやくそれ寄越せ」
『えっ、でも…』
「うるせえ、トシユキからのプレゼントなら、どんな高いものよりも俺のなかでは価値があるんだよ」
『アイゼン……うん、はい、これ、プレゼント』
「……ああ」
ピアスを取り出して、すぐにつけた
『、つけてくれるの?』
「お揃いの意味がないだろ?」
『えへへ……うん!』
「もうお前を怒らせて泣かれるのは御免だ」
アイゼンはトシユキの頭をがしがしと撫でて、手をとって倉庫を出た
二人の耳元で
海から反射した光が、同じ色に輝いていた
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