布団のなか
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賑かな海賊船も今日は静か
ヘラヴィーサ港に寄港しているバンエルティア号に今居るのはわたしとアイゼンだけ
船の皆は街に心水を呑みに行った。今日は朝まで呑むらしい。
船長とわたしにしか見えないアイゼンは、船室で一人大人しく呑んでいる。
えっと…わたしは…単に心水が少し苦手なので…船に残っている。
アイフリード船長に、「アイゼンを頼む」と言われたけど、正直端からみてお守りをしてるのはアイゼン
心水が得意だったらみんなとわちゃわちゃ騒げて楽しいだろうなあと思う一方で、心水が苦手なお陰でこうしてアイゼンと二人っきりになれるのだから、、あ、これ下心満載だ。
カラン
目の前のアイゼンのグラスの氷が音をたてる
その拍子に心水の瓶をあけてから今まで一言も口を開かなかったアイゼンが喋り始めた
「トシユキ、なんでお前は俺の死神の呪いの影響を受けないんだろうなあ」
『しらないよ』
「そうだな…」
『あたしがアイゼンのこと好きだからじゃない?』
「ふっ…うるせぇ、黙れ」
黙れとか言いながら満更でもない顔のアイゼン
あたしはこれまで、アイゼンへの好意を何度も口にしてきたけど、アイゼンはその返答を一度もしたことはない
嫌われてるわけじゃないみたいなんだけど、こう、もてあそばれてるというか…
アイゼンにはわたしの知らないような、他に愛してる素敵な人がいるのかなあ、とか
「お前も呑むか」
アイゼンは一つしかないグラスに心水を注いで私に勧めてきた
『だから…あたし心水苦手だって言ってるじゃん…』
「これはそんなに度数は高くない、それに、味も甘めだ、これなら呑めるんじゃないか」
改めて見てみれば、透き通った薄い赤、綺麗な色
『間接キスだね』
「なんだお前、殴られてぇのか」
『違う違う、アイゼンそういうの気にする人じゃないかなーって思っただけ、じゃあお言葉に甘えて頂きます』
ふわっと広がる甘い香り
『あ、おいしいねえ』
「だろう?」
アイゼンがとても嬉しそうな顔をしている。こんな笑顔、ちょっと久しぶりに見るかも。
『ありがとう、おいしかった』
そう言ってグラスを返すと、アイゼンはまた一人で呑みはじめた
ふぁぁ…もう眠いなぁ…アイゼンと二人っきりは楽しいけど、もう寝ようかなぁ…
『アイゼン、アイゼンはまだ呑んでるよね?あたし、もう眠いから寝るね。』
「あぁ?おれを一人にする気が」
『、!?』
アイゼンの発言に少し驚く
「お前が部屋に戻るならお前の部屋で呑む」
『アイゼン…?どうしたの…?』
アイゼンは一人でいることになんら抵抗がない人だし、むしろ一人でいることの方が好きだったはず…
「うるせえ、そういう気分なんだよ、いくぞ」
そう言ってアイゼンは瓶とグラスを片手で器用に持ち、空いた方の手でわたしの腰を持って部屋へと促した。
『へっあっちょ、アイゼンっ』
「別になにもしねぇよ」
腰にあてられたアイゼンの手がどうしようもなくくすぐったくて、高鳴る鼓動を懸命に抑えて部屋に向かった
部屋に着くとアイゼンはすぐにわたしの腰から手を離し、隅にある椅子に腰掛け、その目の前にある机に瓶とグラスを置いた
わたしはなんとも恥ずかしくなってすぐにベッドに入った
アイゼンの視線が気になるので壁のほうを向いてアイゼンに背を向けてふとんをかぶった
何度もカランカランと氷の音がする
眠れないのは音のせいじゃない
寒いなあ
そっか、ここはヘラヴィーサだもんな…
寒さのせいか、小さくくしゃみをする
「寒いのか」
『……うん、ちょっと』
そう言うと、トン、とグラスを机に置く音と、ギィ、と椅子から立ち上がる音がした
ぼすッ、とベッドに振動がくる
アイゼンがベッドに座った
『……なにしてんの』
「お前が寒いって言うからだろ」
生ぬるい手がわたしの首に触れた
『…っっ』
びっくりしてアイゼンのほうを振り返る
アイゼンがわたしの顔を覗き混んでくる
その碧い瞳に吸い込まれそうで、目が離せない
「いい目で俺を見つめるじゃねえか」
そう言ってアイゼンは指先でわたしの顎を持ち上げた
『なにもしないんじゃなかったの』
「なにもしねえよ」
そう言いながらもアイゼンはわたしの顎を持ちながら親指でわたしの唇をなぞる
…なにもしてなくない
『酔ってんの』
「あんな度の低い心水で酔えるかよ」
どういうつもりよ…と小声で言っても、クク、と小さく笑うだけ
と、油断していると彼の顔がどんどん近付いてくる
懸命に鼓動を抑える
多分バレてる…けど
『だから、なにもしないんじゃなかったの』
「好きな女と二人っきりなのに、なにもしない男がいるかよ」
『さっきと言ってることが違………え?』
今、何て言った?
好きな女って言った?
衝撃で頭が回らないわたしをアイゼンは笑った
「はっ…どうした、寒がりの女は耳まで悪かったのか」
『ア…ア…アイゼン…』
嬉しいのかなんなのかよく分からない感情が溢れて視界がぼやける
顔が熱い、目が熱い
こんな顔を見られたくなくてまたアイゼンに背を向ける
「……トシユキ」
彼は優しくそう言ってベッドに横たわる
背を向けられたわたしの身体を包むように手を伸ばし、わたしの手を握った
ちょっと焦る
身体がすこし緊張で強ばっている
「………なにもしねえよ」
わたしを安心させるように彼が呟いた
何の根拠もないその言葉に安心して、身体の緊張を解いた
「俺…な、妹以外、誰か異性を大切にしたいなんて、思ったことなかったんだ。いや、ここで妹のことを出すのは…だめだな…えっと…なんつうか…アイフリードとか、あいつらがここにはずっといるだろ?その…逃げてたんだ…俺は…」
わたしは黙って彼の言葉をきいている
「逃げてたんだ…お前の気持ちから」
「悪かった…本当に」
わたしの手を握っていたはずの彼の手はいつの間にかわたしの肩を抱き締めていた
『……あったかいね』
そう言った瞬間緩んだ彼の腕
その隙に背を向けていたわたしはくるっと回って彼のほうを向く
「………っっ」
自分で同じベッドに入っておきながら、彼はわたしが至近距離にいることに照れているようだ
『あっはは…アイゼン顔真っ赤!』
「うるせえ!トシユキだって目真っ赤だぞ!」
『金髪の誰かさんが泣かしたんでしょーが!』
「こんの減らず口が!塞いでやる」
口調に反してえらく優しい彼の塞ぎかたは
わたしたちの初めての口付けだった
高ぶる感情を抑えて、額を彼の胸に当てた
彼はわたしの頭と背中に手を当ててわたしを抱き締める
「…ウフェミュー・ウエクスブ」
『え…?』
「俺の…真名だ」
『ウフェミュー・ウエクスブ…』
「そうだ」
『………覚えにくい』
「うるさいぞ」
隙間風が通って小さくくしゃみをしたら、彼はまたわたしの手を握ってくれた
お互いにおやすみを言って、わたしたちは眠りについた
ヘラヴィーサ港に寄港しているバンエルティア号に今居るのはわたしとアイゼンだけ
船の皆は街に心水を呑みに行った。今日は朝まで呑むらしい。
船長とわたしにしか見えないアイゼンは、船室で一人大人しく呑んでいる。
えっと…わたしは…単に心水が少し苦手なので…船に残っている。
アイフリード船長に、「アイゼンを頼む」と言われたけど、正直端からみてお守りをしてるのはアイゼン
心水が得意だったらみんなとわちゃわちゃ騒げて楽しいだろうなあと思う一方で、心水が苦手なお陰でこうしてアイゼンと二人っきりになれるのだから、、あ、これ下心満載だ。
カラン
目の前のアイゼンのグラスの氷が音をたてる
その拍子に心水の瓶をあけてから今まで一言も口を開かなかったアイゼンが喋り始めた
「トシユキ、なんでお前は俺の死神の呪いの影響を受けないんだろうなあ」
『しらないよ』
「そうだな…」
『あたしがアイゼンのこと好きだからじゃない?』
「ふっ…うるせぇ、黙れ」
黙れとか言いながら満更でもない顔のアイゼン
あたしはこれまで、アイゼンへの好意を何度も口にしてきたけど、アイゼンはその返答を一度もしたことはない
嫌われてるわけじゃないみたいなんだけど、こう、もてあそばれてるというか…
アイゼンにはわたしの知らないような、他に愛してる素敵な人がいるのかなあ、とか
「お前も呑むか」
アイゼンは一つしかないグラスに心水を注いで私に勧めてきた
『だから…あたし心水苦手だって言ってるじゃん…』
「これはそんなに度数は高くない、それに、味も甘めだ、これなら呑めるんじゃないか」
改めて見てみれば、透き通った薄い赤、綺麗な色
『間接キスだね』
「なんだお前、殴られてぇのか」
『違う違う、アイゼンそういうの気にする人じゃないかなーって思っただけ、じゃあお言葉に甘えて頂きます』
ふわっと広がる甘い香り
『あ、おいしいねえ』
「だろう?」
アイゼンがとても嬉しそうな顔をしている。こんな笑顔、ちょっと久しぶりに見るかも。
『ありがとう、おいしかった』
そう言ってグラスを返すと、アイゼンはまた一人で呑みはじめた
ふぁぁ…もう眠いなぁ…アイゼンと二人っきりは楽しいけど、もう寝ようかなぁ…
『アイゼン、アイゼンはまだ呑んでるよね?あたし、もう眠いから寝るね。』
「あぁ?おれを一人にする気が」
『、!?』
アイゼンの発言に少し驚く
「お前が部屋に戻るならお前の部屋で呑む」
『アイゼン…?どうしたの…?』
アイゼンは一人でいることになんら抵抗がない人だし、むしろ一人でいることの方が好きだったはず…
「うるせえ、そういう気分なんだよ、いくぞ」
そう言ってアイゼンは瓶とグラスを片手で器用に持ち、空いた方の手でわたしの腰を持って部屋へと促した。
『へっあっちょ、アイゼンっ』
「別になにもしねぇよ」
腰にあてられたアイゼンの手がどうしようもなくくすぐったくて、高鳴る鼓動を懸命に抑えて部屋に向かった
部屋に着くとアイゼンはすぐにわたしの腰から手を離し、隅にある椅子に腰掛け、その目の前にある机に瓶とグラスを置いた
わたしはなんとも恥ずかしくなってすぐにベッドに入った
アイゼンの視線が気になるので壁のほうを向いてアイゼンに背を向けてふとんをかぶった
何度もカランカランと氷の音がする
眠れないのは音のせいじゃない
寒いなあ
そっか、ここはヘラヴィーサだもんな…
寒さのせいか、小さくくしゃみをする
「寒いのか」
『……うん、ちょっと』
そう言うと、トン、とグラスを机に置く音と、ギィ、と椅子から立ち上がる音がした
ぼすッ、とベッドに振動がくる
アイゼンがベッドに座った
『……なにしてんの』
「お前が寒いって言うからだろ」
生ぬるい手がわたしの首に触れた
『…っっ』
びっくりしてアイゼンのほうを振り返る
アイゼンがわたしの顔を覗き混んでくる
その碧い瞳に吸い込まれそうで、目が離せない
「いい目で俺を見つめるじゃねえか」
そう言ってアイゼンは指先でわたしの顎を持ち上げた
『なにもしないんじゃなかったの』
「なにもしねえよ」
そう言いながらもアイゼンはわたしの顎を持ちながら親指でわたしの唇をなぞる
…なにもしてなくない
『酔ってんの』
「あんな度の低い心水で酔えるかよ」
どういうつもりよ…と小声で言っても、クク、と小さく笑うだけ
と、油断していると彼の顔がどんどん近付いてくる
懸命に鼓動を抑える
多分バレてる…けど
『だから、なにもしないんじゃなかったの』
「好きな女と二人っきりなのに、なにもしない男がいるかよ」
『さっきと言ってることが違………え?』
今、何て言った?
好きな女って言った?
衝撃で頭が回らないわたしをアイゼンは笑った
「はっ…どうした、寒がりの女は耳まで悪かったのか」
『ア…ア…アイゼン…』
嬉しいのかなんなのかよく分からない感情が溢れて視界がぼやける
顔が熱い、目が熱い
こんな顔を見られたくなくてまたアイゼンに背を向ける
「……トシユキ」
彼は優しくそう言ってベッドに横たわる
背を向けられたわたしの身体を包むように手を伸ばし、わたしの手を握った
ちょっと焦る
身体がすこし緊張で強ばっている
「………なにもしねえよ」
わたしを安心させるように彼が呟いた
何の根拠もないその言葉に安心して、身体の緊張を解いた
「俺…な、妹以外、誰か異性を大切にしたいなんて、思ったことなかったんだ。いや、ここで妹のことを出すのは…だめだな…えっと…なんつうか…アイフリードとか、あいつらがここにはずっといるだろ?その…逃げてたんだ…俺は…」
わたしは黙って彼の言葉をきいている
「逃げてたんだ…お前の気持ちから」
「悪かった…本当に」
わたしの手を握っていたはずの彼の手はいつの間にかわたしの肩を抱き締めていた
『……あったかいね』
そう言った瞬間緩んだ彼の腕
その隙に背を向けていたわたしはくるっと回って彼のほうを向く
「………っっ」
自分で同じベッドに入っておきながら、彼はわたしが至近距離にいることに照れているようだ
『あっはは…アイゼン顔真っ赤!』
「うるせえ!トシユキだって目真っ赤だぞ!」
『金髪の誰かさんが泣かしたんでしょーが!』
「こんの減らず口が!塞いでやる」
口調に反してえらく優しい彼の塞ぎかたは
わたしたちの初めての口付けだった
高ぶる感情を抑えて、額を彼の胸に当てた
彼はわたしの頭と背中に手を当ててわたしを抱き締める
「…ウフェミュー・ウエクスブ」
『え…?』
「俺の…真名だ」
『ウフェミュー・ウエクスブ…』
「そうだ」
『………覚えにくい』
「うるさいぞ」
隙間風が通って小さくくしゃみをしたら、彼はまたわたしの手を握ってくれた
お互いにおやすみを言って、わたしたちは眠りについた