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罰ゲーム


 最初から予想は出来た。




多分彼なら王子さま然とした、けれどちょっと困った笑顔でこう言うだろう。

「ありがとう、…でもごめんね」

と。



今まで何度かそう言う場に居合わせたことがあった。
けれどそれは僕に限ったことじゃない。
多分全校生徒の半数以上は直接本人から言われたか、あるいは偶然聞いてしまったかしていると思う。

それぐらい毎日頻繁に彼は男女問わず告白されていた。

それも綺麗で自分に自信のある人ばかりから。


だから平凡代表のような僕の言葉に

「うん。いいよ。恋人になろう」

なんて返事が続くなんて想像も出来なかった。

「…え?」

これからどうすればいいかなんて考えてもみなかったし、聞いていない。

真っ白になる頭では上手く考えられず、彼が去った後でも僕は暫く立ったまま呆けていた。


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