罰ゲーム
最初から予想は出来た。
多分彼なら王子さま然とした、けれどちょっと困った笑顔でこう言うだろう。
「ありがとう、…でもごめんね」
と。
今まで何度かそう言う場に居合わせたことがあった。
けれどそれは僕に限ったことじゃない。
多分全校生徒の半数以上は直接本人から言われたか、あるいは偶然聞いてしまったかしていると思う。
それぐらい毎日頻繁に彼は男女問わず告白されていた。
それも綺麗で自分に自信のある人ばかりから。
だから平凡代表のような僕の言葉に
「うん。いいよ。恋人になろう」
なんて返事が続くなんて想像も出来なかった。
「…え?」
これからどうすればいいかなんて考えてもみなかったし、聞いていない。
真っ白になる頭では上手く考えられず、彼が去った後でも僕は暫く立ったまま呆けていた。
1/15ページ