覚えてやがれ!
「っ。お、……お前見てると……好きって気持ちが溢れんだよっ!!」
言ってしまった。
こんな恥ずかしいこと、面と向かっていったこと今までないのに。
目がそのままくっつくんじゃないかってぐらい閉じてたら、目蓋の上に柔らかいものが降りてきた。
多分、誠の唇だ。
「ま、まこと?」
「目、開けるな。今俺、物凄い顔してるから」
そう言われて「うん、分かった」という素直な心は持ち合わせていない。
うっすら目を開けると誠は口元に手を当てて眉間に皺を寄せていた。
やっぱり引いたんだと思ったら、誠の上に乗り上げた太腿に硬いものが当たった。
「なっ、おま、お前、た、勃ってっ」
「だから見んなって言ったろ。可愛すぎんだよお前は」
いつもより荒れた言葉使いで誠はそういうと腰を押し付けるようにまた俺を抱きしめた。
「や、ちょっと、誠!」
「五月蝿い、黙れ。お前が悪い。今すぐ抱かせろ」
そんな単語ばかりを並べて俺を絨毯の上に転ばすと、見事な早業で服を脱がした。
「お前、自覚がないのが厄介だ。津村のこと笑ってられないぞ。今日は覚悟しとけ。ホントに抱き殺す勢いでするから」
「えぇ!!わ、どこ触ってっ…」
その後、本当に抱き殺されるんじゃないかと思うくらい、激しくされた俺は、いつかコイツより優位に立ってやると心に誓いながら気を失った。
おわり
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