親衛隊ができました
お昼の時間が好き。
食堂の美味しいデザート付きの大盛り日替わり定食が好き。
いつもの場所でまったりする時間が好き。
生徒会の仕事はしんどいこともあるけど、それでも俺は学校が好き。
今日はハンバーグ定食にプリンパフェがついていた。
(幸せだなぁ)
満腹感一杯でベンチに寝転がって微睡んでいると、頭の上から声が聞こえた。
「あの、あのっ羽柴さまっ!」
「…んーだぁれ?」
しょぼしょぼと目を擦りながら起き上がると、くりっくりの目の子達が3人、こちらを見ていた。
(子リスみたいだなぁ)
そんなことを思っていると、一人の男の子が顔を真っ赤にして一歩前に進み出た。
「あのっ羽柴さま!今お時間頂いてもよろしいでしょうか!」
わぁ耳がきぃんってする。
「…いいけど、もすこし声、小さくしてくれたら嬉しいなぁ」
俺は小さくて可愛いものは好きだけど、うるさいのは嫌い。
俺がそう言うと、その子はビックリしたまま少し固まってそれから顔を更に真っ赤にして声を潜めて謝った。
「あっごめんなさぃ…気を付けます」
「うん。いい子」
素直な子はいい子の証拠。
俺はその子の頭をくしゃくしゃと撫でた。
おぉ、天然の栗毛だな。シルクみたいな触り心地だ。
シルク触ったことないけど。
さわさわさわさわさわさわ。
「あの、あのっ羽柴さま…そろそろ手を離して下さい。でないと山田が死んじゃいます」
俺が手触りを堪能しているともう一人の男の子が声をかけてきた。
「ヤマダってこの子?わ、顔真っ赤だよ。大丈夫?」
真っ赤な顔を覗き込むとヤマダ君は「むぎゃっ」って変な声を出して後ろに仰け反った。
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