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ナマエ
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「これ美味しいから食べて欲しくて」
ふわりと笑う彼女は前から気に入りだと通っているケーキ屋のミルクレープを、これまた気に入りの皿に乗せた。いい値段をしているからか普段は食卓に並ばないものだ。ちなみに俺が買って帰ったところ喜んではくれるが、誕生日や記念日などの特別な日に食べるのが好きだと少し不貞腐れたように言われた。そんな彼女にとってこだわりのある特別なケーキを差し出した相手は、不服なことに左馬刻だった。
「へぇ、グルメなアンタのお墨付きか。そりゃ期待できる」
フォークで一口分すくい上げそのまま頬張る。うまい、と誰に言うでもなく感想を呟けば味わいながらもあっという間に皿の上から消えていく。俺がようやく半年かけてありついた彼女のとっておきをたった一ヶ月ほどで食うコイツに酷く腹が立って仕方がない。
「左馬刻くんが淹れてくれたコーヒーもとっても美味しい」
「ふは、だろ?ウサちゃんと付き合ってるくれぇだし、味覚も近いんだな」
もう、と言いながらもふわりと笑う彼女が愛らしい。それでもふつふつと湧き上がる嫉妬は治まることを知らず、俺自身も好きな左馬刻のコーヒーすら飲む気になれなかった。だからといって左馬刻の前でバカ正直に「嫉妬している」なんて言える訳が無い。一先ず今は刑法を脳内でひたすら唱えて気を紛らわそう。そうして飲み干したコーヒーの苦味は舌の上にいつまでも居座っていて、冷静な思考をじわじわと溶かす燃料としかならなかった。
「あー、クレイジーソルト?っつーの流行ってんよな」
「左馬刻くんも知ってるんだ。気になってるんだけどイマイチ何に使えばいいか分からなくて手を出せてないんだよなぁ」
「じゃあ今度持ってきてやるよ。それで何か作ってくれや。いらなきゃ俺様が持って帰るぜ」
「そんな、いいのかな?でも嬉しい。ありがとう」
俺を放置して進む料理トークは退屈で、彼女の横顔があるのが唯一の救いである。俺とは出来ない食の話を楽しんでくれるのは喜ばしいことだ。しかも相手は左馬刻という好条件。だと思っていたのに年甲斐もなく妬いている。自らが向ける嫉妬という感情への耐性は零に等しい俺は、喉元まで迫り上がる嫉妬由来の罵詈雑言を抑えることで必死だ。明らかに不機嫌なのは態度を見れば丸わかりだというのに、この二人はゆったりと談笑を続けている。こういう豪胆なところも好きなのだが、今は苛立ちを煽られる一方だった。
「っ!」
ゆっくりと彼女の太腿に手を乗せ、内股を指でなぞる。ぴくりと肩を跳ねさせた彼女は俺の手を制止するように小さな手のひらを重ねた。左馬刻どころか他の野郎にすら彼女の可愛い声聞かせたくないのに少しでも自分を気にして欲しくて不埒な手は止まらない。自宅、愛しい彼女、全てを託した仲間、そんな気を緩ませる要因が集まって理性は思考のテーブルから転げ落ちていたようだ。
テーブルの下、左馬刻から見えない死角で柔らかな太腿を撫で回す。彼女が少し怒ったように視線で訴えてくるが関係ない。それどころか俺を構わない貴女が悪い、なんてタチの悪い思考が浮上してきた。彼女を遊び倒す快感がにんまりと口角を上げていく。
ふと、彼女が大きくため息をついた。さすがに意地悪しすぎただろうか。手を止め顔を覗き込むとそのまま顎を掴まれ思考が停止する。
「んぅッ!?」
今の状況を理解するよりも早く唇を塞がれた。しかも口を閉じれないようしっかり細い指で固定している。彼女の薄い舌が歯列をなぞり上顎を掠めた。引き剥がせればいいのだが、生憎そのような乱暴な真似は出来ず両手は彼女の太腿の上に置かれたままだ。俺は一度舌の侵入を許したら舌を噛まないよう口を閉じない。それを知っている彼女は顎から手を離し、両手で俺の耳を塞いだ。ぐちぐちと水音が頭の中を反芻して興奮と快感を増幅させる。触覚、嗅覚、聴覚、味覚、視覚、五感を支配され逃げるように体を捩った。自分でコントロール出来ないものは怖い。そんな本能を思い出す。ようやく解放され彼女と自分の間に銀色の糸が伝った。情けなく俺は荒い呼吸をしながらへなへなとソファに崩れ落ちる。
「っぁ、は、……なん、で」
「ふぅ……銃兎くんが構って欲しそうだったからね。でも料理の話も左馬刻くんとしたいし、今はこれで我慢して欲しいな。後でもっと相手してあげるから」
ギラギラとした瞳に見つめられながら頬を撫でられたら頷くことしか出来なかった。酸欠のせいか頭がくらくらとする。彼女は左馬刻の前で突然ディープキスをしてくるような大胆な女だっただろうか。目を白黒させていると彼女は空になった皿を手に取り鼻歌交じりにキッチンへ姿を消した。呆気に取られ、完全に空気となっていた左馬刻も、脳の処理が追いついた瞬間大声で笑い出す。
「っ、ははは!!!じゅーとテメェ負けてんじゃねぇか」
ゲラゲラと笑い転げる左馬刻に苛立ちが募るが、こんな醜態を見られた羞恥心が上回りテーブルに突っ伏す。
「こりゃじゅーとが惚れるわけだわ。んはは、最っ高。結婚式はちゃんと俺様のこと呼べよ」
「……うるせぇ」
子ども相手ですら脅しにならない罵倒を呟き、ふらふらと逃げるように寝室へと引きこもったのだった。
「……記念日でも祝いごとでもないのに、なんで左馬刻なんかにあのケーキを」
「あぁ、今日は“銃兎くんが初めて友達を紹介してくれた”記念日だよ」
「え、」
「私の中心はいつだって銃兎くん、君だから安心してね」
ふわりと笑う彼女は前から気に入りだと通っているケーキ屋のミルクレープを、これまた気に入りの皿に乗せた。いい値段をしているからか普段は食卓に並ばないものだ。ちなみに俺が買って帰ったところ喜んではくれるが、誕生日や記念日などの特別な日に食べるのが好きだと少し不貞腐れたように言われた。そんな彼女にとってこだわりのある特別なケーキを差し出した相手は、不服なことに左馬刻だった。
「へぇ、グルメなアンタのお墨付きか。そりゃ期待できる」
フォークで一口分すくい上げそのまま頬張る。うまい、と誰に言うでもなく感想を呟けば味わいながらもあっという間に皿の上から消えていく。俺がようやく半年かけてありついた彼女のとっておきをたった一ヶ月ほどで食うコイツに酷く腹が立って仕方がない。
「左馬刻くんが淹れてくれたコーヒーもとっても美味しい」
「ふは、だろ?ウサちゃんと付き合ってるくれぇだし、味覚も近いんだな」
もう、と言いながらもふわりと笑う彼女が愛らしい。それでもふつふつと湧き上がる嫉妬は治まることを知らず、俺自身も好きな左馬刻のコーヒーすら飲む気になれなかった。だからといって左馬刻の前でバカ正直に「嫉妬している」なんて言える訳が無い。一先ず今は刑法を脳内でひたすら唱えて気を紛らわそう。そうして飲み干したコーヒーの苦味は舌の上にいつまでも居座っていて、冷静な思考をじわじわと溶かす燃料としかならなかった。
「あー、クレイジーソルト?っつーの流行ってんよな」
「左馬刻くんも知ってるんだ。気になってるんだけどイマイチ何に使えばいいか分からなくて手を出せてないんだよなぁ」
「じゃあ今度持ってきてやるよ。それで何か作ってくれや。いらなきゃ俺様が持って帰るぜ」
「そんな、いいのかな?でも嬉しい。ありがとう」
俺を放置して進む料理トークは退屈で、彼女の横顔があるのが唯一の救いである。俺とは出来ない食の話を楽しんでくれるのは喜ばしいことだ。しかも相手は左馬刻という好条件。だと思っていたのに年甲斐もなく妬いている。自らが向ける嫉妬という感情への耐性は零に等しい俺は、喉元まで迫り上がる嫉妬由来の罵詈雑言を抑えることで必死だ。明らかに不機嫌なのは態度を見れば丸わかりだというのに、この二人はゆったりと談笑を続けている。こういう豪胆なところも好きなのだが、今は苛立ちを煽られる一方だった。
「っ!」
ゆっくりと彼女の太腿に手を乗せ、内股を指でなぞる。ぴくりと肩を跳ねさせた彼女は俺の手を制止するように小さな手のひらを重ねた。左馬刻どころか他の野郎にすら彼女の可愛い声聞かせたくないのに少しでも自分を気にして欲しくて不埒な手は止まらない。自宅、愛しい彼女、全てを託した仲間、そんな気を緩ませる要因が集まって理性は思考のテーブルから転げ落ちていたようだ。
テーブルの下、左馬刻から見えない死角で柔らかな太腿を撫で回す。彼女が少し怒ったように視線で訴えてくるが関係ない。それどころか俺を構わない貴女が悪い、なんてタチの悪い思考が浮上してきた。彼女を遊び倒す快感がにんまりと口角を上げていく。
ふと、彼女が大きくため息をついた。さすがに意地悪しすぎただろうか。手を止め顔を覗き込むとそのまま顎を掴まれ思考が停止する。
「んぅッ!?」
今の状況を理解するよりも早く唇を塞がれた。しかも口を閉じれないようしっかり細い指で固定している。彼女の薄い舌が歯列をなぞり上顎を掠めた。引き剥がせればいいのだが、生憎そのような乱暴な真似は出来ず両手は彼女の太腿の上に置かれたままだ。俺は一度舌の侵入を許したら舌を噛まないよう口を閉じない。それを知っている彼女は顎から手を離し、両手で俺の耳を塞いだ。ぐちぐちと水音が頭の中を反芻して興奮と快感を増幅させる。触覚、嗅覚、聴覚、味覚、視覚、五感を支配され逃げるように体を捩った。自分でコントロール出来ないものは怖い。そんな本能を思い出す。ようやく解放され彼女と自分の間に銀色の糸が伝った。情けなく俺は荒い呼吸をしながらへなへなとソファに崩れ落ちる。
「っぁ、は、……なん、で」
「ふぅ……銃兎くんが構って欲しそうだったからね。でも料理の話も左馬刻くんとしたいし、今はこれで我慢して欲しいな。後でもっと相手してあげるから」
ギラギラとした瞳に見つめられながら頬を撫でられたら頷くことしか出来なかった。酸欠のせいか頭がくらくらとする。彼女は左馬刻の前で突然ディープキスをしてくるような大胆な女だっただろうか。目を白黒させていると彼女は空になった皿を手に取り鼻歌交じりにキッチンへ姿を消した。呆気に取られ、完全に空気となっていた左馬刻も、脳の処理が追いついた瞬間大声で笑い出す。
「っ、ははは!!!じゅーとテメェ負けてんじゃねぇか」
ゲラゲラと笑い転げる左馬刻に苛立ちが募るが、こんな醜態を見られた羞恥心が上回りテーブルに突っ伏す。
「こりゃじゅーとが惚れるわけだわ。んはは、最っ高。結婚式はちゃんと俺様のこと呼べよ」
「……うるせぇ」
子ども相手ですら脅しにならない罵倒を呟き、ふらふらと逃げるように寝室へと引きこもったのだった。
「……記念日でも祝いごとでもないのに、なんで左馬刻なんかにあのケーキを」
「あぁ、今日は“銃兎くんが初めて友達を紹介してくれた”記念日だよ」
「え、」
「私の中心はいつだって銃兎くん、君だから安心してね」
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