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「滝さーん、お疲れ様でした。おひとつどーぞ」
「なんだ。小僧。お前、酔ってんのか？　ダメ──」
「えへへへ。いいじゃないっすかー。ほら、滝さんも飲んで、飲んで」
「あっ！　おい、おい、こぼれる、こぼれるって。お前な、飲みすぎなんじゃないか？　だいたい、女のくせに──」
「だーか、らぁねーなし、なし。そういうのはぁ。今日はなしにしてくださいよぉー。だいたいねぇーこういう時までそんなぁかてーこというのはあ、飲みが足んねー証拠っすよ。飲んでー！　たーきーさーん」
「飲んでるよ。小僧。お前は飲みすぎだぞ。もう、やめとけよ」
「あー滝口さん。無駄ですよー。チビに飲むなって言っても馬の耳に念仏ですよ。こいつ、大酒飲みなんですから」
「ああ？　如月。じゃあ、小僧は毎回こうか？」
「そうやね。お嬢はお酒好きやさかい」
「だな。ボスとチビはいつもたいてい、こうだな」
「なまえ、飲んでばっかりじゃなくて、料理も食べろ。ほら」
「そうそう、おチビちゃん。これ美味しいから、食べてごらん」
「で、旦那はいつもああか？」
「そう。いつも彼女の面倒を見てる」
「だな」
「小僧の旦那は、女房がガバガバ飲んで怒らんのか？」
「チビバカですからねー。一柳さんはー」
「お嬢が可愛くて可愛くて仕方ないんや。昴は。言うたら、べた惚れちゅーことやね」
「かぁー！　俺には分からんね。俺なら女房が大酒なんて、考えられん」
「たーきーさーんー。あれ？　また怒ってんのぉー？　もう、そんなに怒るとぉ血圧が上がるよー。大事にしないとさー。はぁー、もう滝さんとコンビ解消かー……」
「あ？　なんだ小僧。せいせいするか？」
「うへっ、違うよ……ぐしゅっ……滝さーん、さみしーいよぉ。うえーん……」
「小僧、何、泣き真似してんだ。え？　本当に泣いてんのかよ。うわ！　どうしたんだ？　小僧。らしくねえじゃねえか……お前」
「あーあ、やっぱりやわ」
「ダム、決壊」
「妙にテンション高いと思ったんだよねー」
「ま、我慢してたんだろうな」
「チビ助。何、アンタ。また泣き虫が始まったの？」
「さみしーいー、うわーんー」