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チビ助はもう一度写真をじっと見て黙った。幸せな未来を奪われた若きマル害達を思うのだろう。俺達も黙った。 しばらくのち、小笠原がぼそっと言った。「ねえ、如月。遅くない?」「そうだな。ちょっと遅いな。何してんだ? あいつ」 昴が、時計を見て同意する。「また残業中の女子にでも、引っかかってるんやないやろねえ」「如月ならそれ、ありそうでイヤねえ」 あいつも、どこか落ち着かない所があるのでちょっと、心配になる。俺の眉間にしわでもよったのか、チビ助が話題を変えるように滝口に話し掛けた。「あ、そうだ。滝さん帰り、送ってくよ。うちの車、乗ってって」「あ? いいよ。俺は」「えー何、遠慮してー。みずくせえこと言いっこなしにしようよ」「よろしかったら、ご一緒に。あ、すみません。申し遅れました。一柳といいます。なまえの夫です。妻がお世話になりまして」「あ、どうも滝口です」「本当にどうぞ。方向も一緒ですし」「そうッスよ。滝さん。今の時間ならもう混んでもいないし、その方が早えーって。僕も安心だしさ。ね?」「その方がなまえも安心出来ますから、こいつ、これでいて結構心配性なもので」「滝口、遠慮しないで乗って行ったら? チビ助はねえ、言い出したらきかないから。アンタ、おとなしくうんと言わないと当分帰れなくなるわよ」「そうそう、滝さんと一緒に帰るぅ。もう決めたもんねー」「もんねーって小僧。お前だって、旦那だって、疲れてんだろうがよう」「あのねー滝さん。ご心配はありがたいけどぉ僕の亭主はぁ、そんなにやわじゃないんだよーだぁ。優しくてぇ、たくましくてぇ、超いい男なんだからー。ねー、昴ぅ」「ご一緒するのは大歓迎だけどさ、お前。どさくさに紛れて、何言ってんだよ。滝口さんびっくりしてるぞ」「へへへー。自慢*したったー」 チビ助が笑いながらえっへんと胸を張る。それがちょっと照れてるようでもあるのに、あまりに嬉しそうな顔だったので思わずみんなふき出してしまった。「あーあ、小僧にはかなわねえや。じゃあ、すみませんがお世話になります」「はい」 昴が返事をしたとこで、捜査室のドアが開いて小野瀬が入ってきた。「やっぱりおチビちゃんだ。楽しそうな声がするから、まだいるのかなと思ったんだ」「えへへ。まだいましたー」 笑顔になるチビ助。「やっぱりおチビちゃんの笑顔があるといいねえ。捜査室が明るくなるよ。ところで、みんな残業?」「違うわよ。いま、如月待ち」「如月くん? 彼もまだこっちにいるの?」「ああ。いま書類出しに行ってんだ。小野瀬、お前も今日は終わりか?」「そう。もう、あがるとこだよ」~したった:ネットで使われる若者言葉。~してやった、~してしまった、という意味の接尾辞。文脈によってニュアンスが少し変わる。面白話や自慢、身に起こった悲劇など、何かスゴイことを報告するときに使う。大阪弁の『~したった』から。大阪弁のしたったには「相手に何かをしてあげる」という意味もあるが、ネットでは自分の事でしか使わない。使用例「ボーナスで車買ったった。」←ついに車買っちゃったよ~。というニュアンス……と、ありました。http://bosesound.blog133.fc2.com/blog-entry-328.htmlより
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