ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ふと、思い出したように明智が言う。「ところで、如月。書類、終わったのか? お前、それやるのに戻って来たんだろう?」「如月。その書類の提出期限、確か明日だったよね? 間に合うの?」「そうだった。いっけねえ」「大丈夫なん? もう定時過ぎやで? 明日、代わりに提出するんはええけど、代筆は出来へんよ」「ヤバい、急がないと。ひぃー終わらないよ」「本当にアンタはもう。あ、如月。ちゃんと向こうには断って来たわよね? アンタの相方、ここにいるの知ってるんでしょうね?」「はい。大丈夫です。直帰って言ってきました」「ならいいわ。はぁー。如月もチビ助とはまた別の、心配があるのよねえ。全く、うちの連中と来たら」「す、すみませーん。がんばります」「はいはい。頑張ってやっちゃいなさいね。ほかのみんなは、もうあがってもいいわよ」「ボスは残業ですか?」「私? そうね。チビ助達もまだだし、明日の会議の資料の仕上げがあるからね。明智、報告書あがったんならもういいわよ。翼とくるみが待ってるでしょ。帰ってやんなさい」 時計を見てちょっと逡巡してから、明智が席を立つ。「じゃあ、すみませんがお先に失礼します」「はい、お疲れ」「如月、がんばれよ。チビにあまり無理をせず、くれぐれも気を付けてやるようにと伝えてくれ」「はーい、言っときまーす。明智さんお疲れ様でしたー」 明智が帰って行くと、小笠原が言った。「資料、手伝えるのあるなら言って」「あら、いいの?」「いいよ。俺の方、急ぎは済んだし」「そう。ありがとう。なら、これお願いするわ」 説明してると藤守が席から立ち上がる。帰るのかと思い、見れば違った。「ほんなら、僕が茶でも入れてきますわ」「えー。藤守さんが?」「えーって、如月くん。失礼やなあ。あんなあ、僕かて茶くらい入れられるで。これでも、新人の頃は毎日入れてたんやからな。なんや、その疑り深そうな目ぇは。うそやないで? ほんなら、待っときなさい。今、旨いんの入れて来たるわ」 そう言ってお茶を入れに行った。(ふっ。どうやら、小笠原も藤守も、さっきへろへろだったチビ助が心配らしい。あーそういや、明智も気に掛けてたな。……チームワークがいいじゃねえか。捜査室(ここ)も、立ち上げた当初はどうなることかと思ったが。いい部署になったな) 内心、嬉しく思いながら仕事にかかった。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。