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(まあ、知らなきゃそうなるか。しかし、チビ助を本当に心配してんだなあ。このじゃがいも)「ちょっと、ちょっと滝口。早合点しないで。違うわよ。チビ助のとこは、そんな心配は無用よ」「そうそう、心配いりませんよー。滝口さん」「離婚の心配はいらんのとちゃうかな。いまだにあっつあつの新婚さんのようやもん」「うちもそうだが、あそこも間違いなく夫婦円満だな」「ラブラブ。離婚する可能性は多分、0パーセント」「連絡もしないのにか?」 みんなが言うが、滝口は疑問がぬぐえない顔をした。それを見て藤守が説明する。「それは、多分あれや。電話より会う方がええからやろ」「まあ、そうだろうな。麹町署なら、近いしな」 藤守と明智の話に滝口が質問を入れる。「あ? なんだ、小僧は麹町署の近くに住んでんのか?」「そうじゃないですよ。滝口さん。家は別に、近くはないです」 如月が言うと滝口は、ますます訳が分からないという顔になり、首を傾げた。「はっはは。あの子の亭主が誰か知らなきゃ、訳が分かんないわよね。チビ助の亭主は、今、一緒に聞き込みに行ったわ」「え? ええっ? じゃあ、さっきの?」「ええ、そうよ。さっきのがあの子の亭主。気付かないのも無理ないか。普通は同じ部署には、いつまでもいないもんねえ。本当は結婚した時に、チビ助が異動になるはずだったんだけど。急な特別任務が入ってね。それが、完了するまで特例扱いになったのよ。異動が延期されたの。今はその任務がひと段落してるから、そっちに派遣したってわけ。麹町署はここから近いから、時間が空くと報告も兼ねて帰って来てたものねえ。電話の必要、なかったんでしょ」「着替えも、ここでもらってた」 付け足すように小笠原が言うと滝口はぽかーんとした。「アンタの心配も分かるわよ。私達も、さっきの亭主も、この仕事の危険さは十分知ってるからねえ。本当は、すごく心配よ。だけどね。刑事やめろとは、私達には言えないのよね。チビ助はちょっと複雑な事情があってさ。あの子はガキの頃から、ひとりで必死に生きて来た子なのよ。そん時にね[助けが欲しい時に、助けがないのはつらい]って身に染みたらしい。でね、困ってるひとをひとりでも助けたいって警察官になったの。以来、強い信念と誇りを持って刑事やってんのよ。あの子は。この仕事に、男も女もないってのが口癖でね。実行してる。人一倍努力して、弱音も吐かないわよ。めちゃくちゃ、頑張り屋。そんなあの子の気持ちが、分かっちゃうんだもの。見守るしかないじゃないの。けど、ちょっと安心したわ。アンタみたいに、ベテランのまともな刑事と組んでてさ。あっちじゃ、目も届かないしねえ。滝口、チビ助を頼むわよ。さてと、話はこれくらいにして滝口は、もうちょっと寝てなさい。チビ助の為にも、アンタには身体大事にしてもらわないとね。ほらほら、寝て、寝て」 ほれほれとせかし、滝口を横にならせ、またでこにおしぼりをぺしっとやると、今度はおとなしく寝た。
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