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● ○ ● ○ チビ助達が行き、小野瀬もラボに帰った。少しすると、もっそりと起き上がった滝口が後ろ頭をぽりぽりと掻きながら俺達に『ご迷惑を掛けまして』とぺこりと頭を下げた。その姿を見る分には、さっきチビ助とガアガアやり合っていたのが嘘のようだった。借りてきた猫の如くおとなしく、そして若干、居心地が悪そうに見える。如月が近寄り『滝口さん。大丈夫ですか? 遠慮いらないですからねー。休んでて下さい』と促すと『ああ。お前にも余計な心配かけてすまねえ』と言った。(ふーん。チビ助が懐くだけはあるんだな。見かけは厳ついジャガイモ野郎だが、案外まともそうじゃねえか。こいつと組んでいるのなら、まあ、とりあえずは安心か) そう思いながら、いつものオネエ口調で話し掛ける。「そうよ。ちゃんと寝てなさい。アンタが寝てないと、頼まれた私も怒られるの。あの子、ちっこくて童顔で可愛らしいなりは、してるけどね。あれで、怒るとすごいんだから。蹴りなんか目ん玉飛び出そうな位、痛いしねえ。巻き添えは堪忍してよ?」「は、はぁ……」「なぁに? 噂通りのオカマなんで驚いた? オカマと問題児の巣窟、捜査室へようこそ。あはは。何、びびってんのよ。取って食いやしないわよ。それとも、聞き込みが心配? それも、安心していいわよ。チビ助はきっちりやって来るから。アンタさ、あの子も言ってたけど熱中症って意外と怖いのよ。大事にしなさい。ほら寝た寝た」 横になった滝口のおでこに冷えたおしぼりをぺしっと置いた。目が合うと、何か言いたげに滝口が口ごもる。「何? いいわよ。遠慮せず、言ったら?」 むっくりと身体を起こしぼそぼそと聞いてくる。「小僧……真山巡査部長は、いつもあんななんですか?」「ははは。本人が嫌がってないなら、ここでは小僧でも構わないわよ。そうねえ。あの子はあのまんまね」「あっちで見てると、まだおとなしくしてる方ですよ。チビは暴走し始めたら、あんなもんじゃないですから」「如月。向こうじゃチビは、おとなしくしてるのか?」「ええ、明智さん。あいつ、根は人見知りで気ぃ使いじゃないですか。一生懸命ですけど、だいぶ抑えてますよ。あれはー」「抑える位で丁度ええねん。慣れてないもんでは暴走お嬢は、なかなか止められへんで?」「それは言えてる。おとなしくしてくれてる方が安心。チビはバカじゃない。それでも暴走するってことは百パーセント、危険な状態ってこと」
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