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● ○ ● ○ 帰りにショッピングモールに寄る。ここなら大きめのドラッグストアも食品売り場もある。買い物をして帰宅し、キッチンに立とうとする彼女に温かい飲み物を入れ休ませる。今夜は彼女が好きそうなもので、なおかつ貧血に効きそうな献立にした。作りながら色々考える。(知らないフリして欲しいやつもいるって言ってたなあ。それだと、どうして欲しいか聞くとマズいよな。話題に出さない方が良いだろうし。つーか、凛子は優しくしてくれると良いらしい。なまえは、どうなのかなあ。どうしよう。うーんー……。そういえば前になんとなくそんな会話出た。確か、あの時もすごく辛そうで……心配したんだ。そしたらそういう日だって言って、今回はちょっと重いのって。と、いう事は話題に出ても大丈夫そうだ。聞いてみない事には、どうして欲しいかはオレには分からないし、つらくて何かして欲しいならしてやりたい。でも、デリケートな事かも分かんねーから出来るだけさりげなく、だな) そして、ゆっくり夕飯を取る。(ご飯もなんとか食べられたみたいだ。とりあえず、良かった。さてどう、切り出そう……)「すぅ?」「ん?」「どうしたの? なんかあった? 悩み事? 聞くよ。良かったら言ってみて?」(いかん。心配させちまった) で、結局聞いてみた。さっき凛子がくれたと薬を渡して置いた。それが効いてだいぶ楽になったらしい。して欲しい事は今は特にないみたいだ。オレもしてやれる事が思いつかない。後ろに座りそっとお腹を擦った。彼女はオレの胸に凭れ『気使いをありがとう』とちょっと笑顔になった。気持ち良いのか、安心するのか、はたまたそういう時は眠いもんなのか、分かんねーけどその内、彼女はうとうとし始めた。「もたれた姿勢でつらくなかったら寝ていいよ」「ん……じゃあ、ちょっとだけ。あったかくて、安心する……」 そう言って彼女はすうすうと寝息を立て始めた。(凛子の話しじゃ重いとつらいらしい。今は眠れる位とりあえず落ち着いてるって事かな。……そんなにつらいんじゃ、仕事もキツくねーかなあ。刑事って、やっぱ、女には男のオレ等より、つらい仕事なんだろうな……。男でも大変な時もあるしなあ。あんまり無理して欲しくねーなあ) 眠る彼女を見てそう思う。でも、応援もしてやりたいのも本当だ。(刑事かあ。オレは親父の影響もあったし、なりたくてなったんだ。だから、別にこの仕事を選んだこと、後悔もしてねえ。それでも時たまは、キツいと思う事もあるんだよな。このオレでも。苦労すりゃあ全部報われる結果になるワケでもねえ。頑張っても、ともすりゃあ嫌われる。危険だし、厳しい……我ながら因果な商売だって思う。でも……)「やりがいはある。刑事としての誇りも、な。それがある限り、まだまだ頑張れる……お前も、そう思うだろ? 女刑事さん」 でこに掛かる髪をそっと直し、話し掛けるように独り言を漏らした。静かな夜に、愛しいひとの寝息を聞きながら心が穏やかになっていった──。──刑事。──End.
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