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● ○ ● ○「あーら、一柳ぃ。どうしたのよ。陰気くさい顔してさ」「凛子、お前はいつも変わらねーな」「いい事じゃないよー。あんた大丈夫? なによ。なんかあったの? 言ってごらんなさいよ。同期のよしみで特別に、この凛子さまが相談に乗ってあげるー」 庁内の廊下であった凛子が聞いてくる。相変わらずの言い方ではあるが、こいつなりに心配してくれているのは分かる。「ああ? いやなまえがな」「ん? なまえちゃん? どうかした? さっき話した時は元気──ああ、そうでもないかあ。やっぱ重いの? あ、私、薬持ってる。渡してあげて。えーっとぉ、あった、あった。はい」「痛み止め?」「そうそう。私はそれ、よく効くんだけど。なまえちゃんも効くといいわね。あ、あんた。帰りにドラッグストア寄ってあげなさいね。さっき買いに行かないとって言ってたし。それと、いつもより優しくしてあげなさいよ? 男のあんたには分かんないかも知れないけどさ、重い時は本当につらいのよ。うちの宏明なんかさ、あったかい飲み物入れてくれたり腰やお腹擦ってくれたり優しくしてくれるわよ。そうやって優しくしてくれるとありがたいと思うわ……あ、でもそっとしておいて欲しいとか、知らないフリして欲しいってひともいるわねえ。個人差があるから、やっぱり一度、なまえちゃんにどうして欲しいかそれとなく、さりげなーく、希望を聞いた方が良いかもね。あとさ、貧血とか気を付けなね。さっき、ちょっと青白い顔してたよ。彼女、いつも重いの? 重いと、しんどいのよねぇ。かわいそうに」「あーちょっと聞くけど、お前、なまえに会ったの?」「うん。ついさっき。急に来ちゃったらしいわよ。たまたま切れてたらしくてさ。私のあげたのよ。あんたのとこって男ばっかだからそういう時大変よねぇ」「あのさ、それはつまり、あれ?」「んん? 女の子の日、でしょう? それでつらいって話じゃないの? もしかして、あんたの言ってんのは別の事なの?」「んー。なんかボーっとして元気なかったからな。余計な事も言われたばっかだし……それで気落ちしたのかと、心配してたんだ」「ああ。あれでしょ、えーっと格闘マニアのトラブルメーカーってやつ」「あ? やっぱり気にしてたか?」「うん。してた。まあさ、女の子の日はその前後も含めてナーバスになり易いから。余計に気になっちゃったのかもねえ」「そういうもんか?」「それも個人差はあるけどね。彼女はそうかもねぇ。だからさ、女の子の日が終わったらそんな失礼なやつ、投げ飛ばしてやりなさいって言っといたわ」「はあ……そうなのか。それでなまえは、なんか言ってた?」「笑ってたよ。たぶん、そっちは大丈夫じゃない? ボーっと元気ないのは、女の子の日が重いんじゃないかと思うわよ。色々影響出たりするしねえ」「そうか。なるほどなー」「ぷっ! うはっはは……あんた、わっかり易いわねぇ。ホッとした顔しちゃってさ。ま、その調子じゃあんたも大丈夫ね」「おう、ありがとな」「どういたしましてー。じゃあ、またね」 後ろ手に手を振りながら凛子は離れて行く。(そっか。凛子のおかげで状況が分かったぜ。悩んでるんじゃなくて良かった。そういう時は何を食うと良いのかな……ちょっと調べてみよう)
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