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● ○ ● ○「室長ー。何とかして下さいよー。うぅぅ。チビのやつ、まだ口きいてくれないんですよー」「そういえば、如月くん。さっきお嬢がお使い出る時、声掛けても返事してもらわれへんかったやろ?」「そうなんですよー。ううぅー。俺、どうしたら良いんですかあー?」「如月は自業自得だな」「明智さーん、一言で片付けないで下さいよー」「確かに如月は自業自得だけど、彼女……」「なんや、小笠原」「無視してるというより、もっと違う風に見えた」 奥でそんな話し声をなんとなく聞きながら、お使いで留守の彼女の代わりにお茶を入れ配る。オレが行くと、小笠原が聞いて来た。「一柳さん。彼女、なんか変じゃない?」「ああ、ちょっと元気がねーな」「あら、やっぱり? 今朝、あの子自席でボーっとしてたのよねぇ。意識がぶっ飛んじゃったみたいにさー。で、ちょっと気になってたのよねえ……」 室長が言うと如月が食い付く。「じゃあ、じゃあ、俺を無視してる訳じゃないんですかねー? ねえ? ねえ? 無視じゃない可能性ありますよね?」 室長やオレに聞いて来る。「ああ? まあ、分かんねーけどな」「ええー? 一柳さん冷たいー!」「うっせーなー。大体お前が色々言うから、あいつが悩んじゃうんだぞ。そこらへん、分かってんのか? ったく。オレのなまえをいじめやがって。お前なんて知らん」「ええー!」 騒ぐ如月はこの際スルーする。「昴、何よ。あの子、気にしてるの?」「ええ。女子力低いのに格闘マニアで、トラブルメーカーだって言って──」「やっぱり、如月のせいだ。如月、君どうする気? 彼女を傷付けたじゃないか」「えー。そんな事言ったって小笠原さん、俺だってこんな事になるとは思わなかったんですよー。いつも大丈夫だったでしょう?」「それは、彼女が我慢してくれてたんじゃないの? だいたいチビは頑張ってるだけなのに、如月はひど過ぎなんだよ」「室長、俺、どうしたら……」「どうするって、言われてもねえ。とりあえず、如月。アンタは反省しときなさい。で? 昴は何も言わなかったの? アンタの事だからそんな事ないわよね?」「うーん。まあ、そんな事はないって言ったんですけどね。元々気にしてる事だったらしくて」「まだ、気にしてるのかしら。そういえばあの子。昔からトラブルメーカーっていうの、気にしてたわねえ」「ああ、確かにそうですねぇ。チビは気にしてましたね。……どうします? ボス」「どうしたもんかしら。あの子、あれで繊細だしねえ。集中力が落ちてポカやらかしたり、危険になっても困るわねえ。うーーんーー」「良い刑事やて、自信もたしたらええちゃいます?」「藤守、それはそうだけど。あの子に自信つけるって難しいわよ? きっと」「ですね。だいぶ変わっては来たけど、なまえは自分の事は過小評価するからなあ」「彼女、本当に良い刑事なのに」「そうだな。人一倍、努力するし頑張り屋だし、被害者への思いやりもある」「でも、お嬢本人はそないな事にちぃとも、気付いてないんですわ」 結局、もう少し見守ろうという事で、話しは終わった。
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