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「余裕もなくなるよな。俺みたいな怖ーくて感じ悪い先輩もいたしな」「えー何? あなた達、今は仲良さそうなのに、昔は違ったの?」「こら凛子、失礼だぞ」「そう? だって宏明、気になるじゃない」「そ、そのぉ……ま、まあさ、もう昔の事だからね。あはは」「あれですよ。俺が、見る目が無くてね。なまえを誤解してて、最初はかなりキツく接しちゃったんです。本当に悪い事したよな。すまん」「いや、本当に大丈夫。昔の事だもん」「許してくれるんだ? なまえは優しいな。でもなー、何かお詫びしたいな」「和くん、本当気にしないでよ。お詫びなんてとんでもないよ」「あ、そうだ。ならさ、お詫びにキックボクシングを教えてやるよ」 そんな一言から谷田部は暇を見つけては、捜査室にキックボクシングを教えに来た。 ● ○ ● ○(やりたがってたからキックボクシングは、いいけど……。何で谷田部に教わるなんて、こういう事になるんだよ。気が気じゃねー) なまえファンの谷田部は目を光らせておかないと危ないので、彼女と一緒に教わる事にした。結局、どうせならとみんなで指導を受けている。 彼女はキックボクシングが楽しいらしく、より一層練習に励んだ。困った事が一つ。谷田部も庁内にファンが結構いるらしく、最近では覗き見する連中まで出るようになり、捜査室付近は騒がしくなった。 ● ○ ● ○「アンタ達、他部署で残業してるのもいるのよ? みんなして廊下でいつまでもそんな風に、わーわーと覗いてるとよそにも迷惑だからね。お帰り下さい。はいはい。お疲れ様。──はぁあぁ。やっと帰ったわ。何だかうるさくなったわねえ。あんまりにぎやかだと、幾ら時間外でも苦情が来るのよねえ。困ったわ」「すみません。僕がサンドバッグ欲しがったばっかりに……」「あら気にした? チビ助、それはいいのよ。警護任務もあるし、日々身体を鍛えるのは良いことよ。それにみんなだってかわりばんこに使ってるんだから、気にしなくて良いの」「そうやで。良い事かてあるよ。最近、身体の調子がええなぁって話してたんやで」「そうだぞ。チビ。でも、偉いな。お前、暇を見つけては射撃訓練や、道場へも行ってるだろう? 頑張ってるな」「射撃に柔道、剣道。おまけにキックボクシング。格闘マニアには、良い環境だよな」「如月さん。僕、別に格闘マニアじゃないよ」「おチビな格闘マニアだろう?」「違うもん。自分だってチビのくせに! あのね。いざという時に一般市民なら、隙をみて逃げるのが一番だけどさ。僕は警察官なんだからね。先頭切ってスタコラ逃げる訳にはいかないの! 守る事も仕事だし、凶悪犯だって相手にしなきゃならない場合だってあるしさ──」「あーあ、そうだな。チビはトラブルメーカーだしな。みんなより、訓練が必要だよねー」 かぶせるように重ねられた言葉に、彼女がぐっと言葉に詰まる。小野瀬さんが見かねて止めた。
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