ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ちょっと、噂って何よ?」「え? 先輩、知らないの? ちょっとした話題になってるんですよ? あれ」 凛子がサンドバッグを指す。それを聞いて彼女が、心配し始めた。「そう言えば、和くんもそんな言ってたね。それって悪い噂?」「あ、大丈夫よ。心配しないで。なまえちゃん。悪い噂ではないわよ。ここの部署ってイケメン揃いだって言われてるのは知ってる?」「うん」「ここから何か音がするけど何だろうって話が出て、丁度この中の誰かがサンドバッグやってる時にここに用事で来た子がいるらしくて『すごくカッコ良かったわー』って言ったらしいの。そしたらみんなが『私も見学したーい』ってなってね。ドンドン噂が広がって行ったらしいわ」「なーんだ。みんな暇ねえ」「そう言うけど、先輩のファンだってキャーキャー言ってたわよ? それから小野瀬さんや、物好きな一柳のファンとか、他のみんなのファンもね。ここって、それぞれみーんなファンがいるでしょう。いまや大騒ぎなんだから」「凛子、物好きってなんだよ。失礼な」「まあ、まあ。でもファンかあ。やっぱ、みんなスゴいのな」「あら、何言ってるのよ。なまえちゃんのファンだって騒いでるわよ? あそこはガードが固そうだけど、何とか見に行きたいって」「えーまたー。凛子さん、話盛ってない? 凛子さんみたいな美人ならそういう事もありそーだけどさー。僕はなー」「え? なまえちゃん。あなた、かなりファンいるわよ? 男も女も性別関係なく。もしかして、なまえちゃんって無自覚だったの?」 「えー。あはは……そんな訳ないよぉ。凛子さんったら。喜ばせてくれちゃって。あ、もしかして気を使わせた?」「凛子。無駄だ、無駄。チビ助は天然だから」「はっはは。相変わらずなんだな。交番時代だって、なまえのファンは沢山いたろう? 影から見てる子達がさ」「あーあ。女子高生の事? あれはさ、若い制服警官だったからカッコイイって、なんとなくそういう気分になったんじゃない?」「えー谷田部さん。チビって、そんなにモテたの?」「そうですよ。いろんな子が、チラチラ見に来てましたね」「だから、それは近くに女子高があったからでしょう? 和くんだってモテてたじゃん」「バレンタインのチョコはなまえのが多かったろう?」「ああ。あれは困ったなあ。名前でたどってなんとか謝って返せたけどさー。結構大変だったな」「チビ、返してまわったのかー?」「そうなんですよ。如月さん。なまえは真面目でね。『一般市民から僕ら公務員へ金銭や物品を頂くのは賄賂にあたります。李下に冠を正さずです。誤解を招くような行動はいけません』って、一人ずつ説明して丁寧に謝って返してまわったんですよ」「チビ助らしいわね」「へぇーなまえちゃんってストイックなのねぇ」 凛子がちょっと驚いた声を出す。「んーストイック、禁欲的かぁ。僕的には、そういうつもりはなかったんだけど。あの頃は、警察官にはなったけど余裕がなくて。ちゃんとしなきゃ、ちゃんとしなきゃってそればっかりだったんだよね。でもあんまり傷付けたくは無いし返すのも、スゴく気を使ったなー」
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。