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「ボス、せっかくやっても飲む量が増えたら元もこもないですよ」「室長はなまえの大事なお父さんなんですから、元気でいてくれないと困りますよ」「だね。何かあったら彼女、泣いちゃうよ」「そうですよ。室長、気いつけてくれなあかんですわ」「分かってるわよ。でも筋肉量増えたわよ? 見なさい。ほら、ほら。小野瀬が来たら、あいつにも自慢してやろう。如月と小野瀬はやって無いもんねえ。やってる私達はドンドン強くなって、二人は置いてきぼりよ」 その暫くあと如月と、小野瀬さんまでがやり始めた。如月は思うところがあったようで、小野瀬さんは、その如月から何か聞いたのと、室長に散々自慢されたのが悔しかったらしい。捜査室はちょっとしたサンドバッグブームになって、毎日のように音を響かせてる。 ● ○ ● ○ それから暫くしてアイツがやって来た。「失礼します。なまえ、いますか?」 ヤツは以前の*宣戦布告しに来た時に言った通りに、彼女を呼び捨てに呼んだ。(この野郎。久々にあらわれやがったな。ったく、顔見るだけでムカつく)「ああ。和くん。お久しぶり。元気だった?」 なまえはちょっとどことなく身構えつつも、笑顔で挨拶した。「おかげさまで、元気にバリバリ働いてるよ」「そうか。和くん、係移ったんだっけ?」「そうそう第六強行犯だけど六係になった。強盗、暴行、傷害の連続のヤマなんか扱うとこ。結構忙しいんだ。そういえばお前も、兼務になったんだろう?」「うん」「警備だっけ? 無理すんなよな」「うん。ありがとう」「でさ、ちょっと小耳にはさんだんで見に来たんだ。あ、これかぁ」「サンドバッグ、見に来たの?」「そう。なあ、ちょっとやっても良いか?」「あ、うん。どうぞ」 上着を脱いだ谷田部がサンドバッグをビシバシやり始める。「へぇーなかなか良いな」「ねぇねぇ、和くん。もしかして和くんってキックボクシングやってたの?」「よく分かったな。やってたというか、今も続けてるよ。警察入る前からやってたんだ」「えーそうなの? そんなの、聞いた事なかった。あ、でも何か習い事してるって言ってたか……あれ、キックボクシングだったの?」「うん。なんだ、なまえ。興味あるのか?」「うん。この前、体験教室に行って来たんだよ」「そうなのか? もしやりたいならジム、紹介してやろうか?」「んーでも僕、ダンスも習ってるから習い事、二つは無理だもん」「ダンス? 社交、ダンスじゃないよな?」「違う、違う。そういうのもまあ、踊れるけどね。習ってるのはそういうのじゃないよ」 それが昼休みちょっと前で、二人は習い事についての会話が弾んで結局、谷田部は捜査室で飯を食ってく事になった。「こんにちは。あーこれだ。噂のサンドバッグ」 そんな言葉と共に桐原夫婦もやって来て、その日の飯はいつも以上ににぎやかになった。* 横恋慕。のエピソード。
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