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「んーじゃあ、もっと他も見るか?」 尋ねたら頷く彼女。「そういえば、結構前のやつで見てないのがあったな。ほら、刑事もんの連ドラ。あれでも、一気見するか?」 彼女は恋愛映画と刑事ものが好きだ。リアルタイムで見られない事もよくあるので、予約録画する。彼女は面倒くさがりなので、なんとなく予約など、この家の機器担当はオレになっている。国内ドラマより海外ドラマを見る方が多いが、国内のでも刑事ものは一応録っておく。見始めてしばらくすると『ねぇ早見再生で見るぅ?』と彼女が言い出す。この反応だと、イマイチって事だ。「イマイチか?」「ん。まあさ、ドラマなんだけどねぇ。それはぁ分かってんだけどぉ。それにしたって、これはなー。この彼は良いんだけどもぉ……んー」 気に入らないみたいで、言いながら唇がほんの少し尖った。「フフ。お前、あんまりにもリアリティの無さ過ぎなの、好きじゃないもんなあ」「だってぇありえないでしょう。この女刑事。うーん……なんかさー。言う事が、変でしょ? 刑事が疑り深いのは、職業柄当たり前じゃん。それにさー。*ヤマ、推測しなくてどうすんだろ。そりゃあね、確証つーかコツコツ物証集めも絶対必要だし、先入観持ち過ぎも目が曇るからダメだけどぉ。でも、カンや考える事も必要でしょ? 要はバランスが大事よ。そう、僕は思うね。だってさ、考えないで闇雲に動いたって仕方ないっしょ。だいたい、刑事のくせにカン悪過ぎなんじゃん? その割に、自分の相棒は信頼しなさ過ぎ。しかも、相棒が惚れた男ならさ尚更だよ。もっと信じろって言ってやりたいね」 ダメ出しをし始めた。オレも、言ってる事は同感だ。(もしも、オレの相棒がなまえじゃなくこの女刑事がだったら、イライラしそうだ。確かにこれで、一課異動はねーな。オレはなまえが相棒で、ホント良かった。ま、じゃじゃ馬相棒にハラハラさせられる事も多々あるが、助けられる事もそれ以上に多いからな。それに──)「そうだなあ。お前はオレを信じてくれたもんな。*あれ、事前に言って置いたから信じてくれたのか?」「んーあれ? ……ああ。女警視のヤマのハニートラップ作戦かぁ。んーそうだなあぁ。もし何も聞いて無くても、多分もっと考えるよ。もしかしたら、なんかあるのか? ってさ。まあ、ヤキモチは妬くかも知れないけどねぇ。このひと、多分恵まれてたんでしょ。どっかお嬢ちゃんだもん。このひとと、僕は根本的に違うみたい。人は嘘をつくし、闇は案外、日常のそばにある。ボーっとしてたら、ガキがひとりでなんて生き抜いてなんて来れないよ。僕は自分の見た事感じた事、カンを信じてここまで来た。それなりに人は見るし、ある程度は見抜く自信はある。今僕の周りにいる人達、僕の相棒も、仲間も信頼出来る。それが僕の見立てだよ。よって、よく知らねえやつより僕はきみを信じるよ」「フフ。信じてもらえて良かった」「そんなの当たり前。きみは大事な相棒で、惚れた男だもんね。──つーかぁこれじゃあ刑事は務まらんと、思うけどなあ。一課なんてやってけないんじゃないかなあ。いずれにしても、僕とは合わないな。苦手だよ。このタイプ」 オレと同じ事考えたなと、クスッと笑う。*ヤマ:事件のこと。*24。のエピソードです。
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