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──刑事。── 明日は二人とも非番だ。今年あるサミットが終わるまでは、王子達の来日はない。桂木さん達や石神達はサミット関連で忙しいらしいが、うちは大したヤマもかかえてない。プロジェクトも順調。室長の計らいで二人して休みが取れた。ありがたい事に、室長のおかげでこうして一緒に休暇になる事はよくある。「ねえ、何か見る?」 そう聞かれ『BOSSでも見るか』と答え、二人で見た。ちょっと前のドラマだが、たまに再放送もやってたりする。ついこないだもCSでやってた。もう何度も繰り返して見てる彼女のお気に入りのドラマなんだ。[事件に大きいも小さいもない][刑事は嘘がつけてなんぼ]このドラマのボスは、うちの室長と同じ事を言う。なまえは室長を尊敬してるし、いずれはあの人みたいなボスになりたいらしいからきっとそういう所も、このドラマが好きな一因なんだろうと思う。 「はー、大澤絵里子。美人だしカッコいい。こんな風になりたーい!」「お前ならなれそうだけどな」「だといいな。でもさ僕、美人じゃないからなあ。あれだ。僕より凛子さんのが、大澤絵里子っぽい」「えー、凛子がかぁ?」「ん、そうだよ。スラリと美人だしさ、なんとなく雰囲気似てるよ? それにアメリカ帰りのキャリアで、仕事も出来るしぃ。はぁあぁぁー。カッコいいよなあ。そういうの。んーちょっと真似でもしてみようかな。雰囲気とか服装とか──」「あ? 真似って、大澤絵里子の? それとも凛子の真似か?」「うーん、両方? ってか、身近にいてお手本にさせてもらえるから、やっぱ凛子さんかな。ちょっとずつでもさ近付きたいなあ」 そういう彼女を見ながら、オレの頭に想像が過ぎった。ミニ凛子と化したなまえが『昴、どいて』とドーンとオレを押し退けるイメージが頭すり抜けてく。思わず、ブルッと身震いした。(凛子になんか、似られちゃたまんねーよ)「やめとけ。お前のが全然良いよ。お前のが、可愛い。オレはいまでも十分にお前が大好きなんだから。無理に変わる必要はないの。それに美人タイプじゃねーけど、たまにすげー綺麗だぞ。お前」「綺麗なのは、たまに……か。はぁあぁ。美人に産まれたかったなー」「あ? たまにで、いいだろ。いつもは可愛いんだし。あ、好き好きフィルターじゃねーから。可愛いだの、最近綺麗になっただのは、オレだけじゃなくみんな言ってるからな。本人のお前だけが、なんでそこに気付かねーのかオレは不思議だよ。とにかくお前は今のままで良いの。それ以上キラキラされると、不埒な野郎共が寄って来て困るだろうが」「えへへ。またそんな事言ってぇ。喜ばしてどうするの。そんなに調子に乗らすとね、有頂天になって天までのぼっちゃうよ」「んーダメだよ。のぼっちゃ。お前はオレの傍にいてくれねーとな」 ちゅっとして、いちゃつき二人で笑う。
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