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「じゃあ、何? チューしてたじゃんよぉ。僕、見たもん。この目でしっかり目撃したもん。キミは他のひとと浮気チュッチュして、僕はダメなんて、不公平だー。なんかずるい。僕も誰かとチューするのぉ」「だから、ダーメ。第一、誰とするんだよ」「うーーーん。分かんない。誰がしてくれるかなー」「してくれるかなってさ、何て言うつもりだよ? 僕とキスして下さいとでもお願いするのか? 無理じゃねえ?」「何で? 僕なんかとみんなキスしたくない、とでも言いたいの?」 彼女の頬が、ますます膨れた。「違うよ。お前、恥ずかしくてそんなの言えねーだろうが? ん?」「むーぅ。なんか、すっごく悔しい! なら、酒飲んで迫る。そうだ! 室長とか、小野瀬さんならそれでイケる。多分。大人だしなあ。うん」「バカ。何、納得してんだ。お前な、あの二人相手にそんな事してみろ。キスだけじゃ済まねーぞ。それとも何か、当てつけに浮気エッチまでするってか?」 そんな事言ってる間にコンビニから離れ、ひと気もない桜並木の下。ゆっくりと歩く歩調とは反対に、会話は段々と過激になって行く。「えええぇえぇー! え、エッチぃ? そ、そんなのぉ……し……いよぉ。…………いじゃん」「ああ? 何だって? 肝心なとこが聞こえねーよ。お前、分かってる? オレ以外と、もしもそんな事したらただじゃおかねーぞ? もちろん、チュッチュもダメ。したら、再教育、おしおきスペシャルフルコースな。泣いても許さねーから」「何でぇ? じゃあ、昴も浮気チュッチュしたから、おしおき!」「おしおきなんてされないよーだ。第一な、あれは浮気チュッチュじゃねーの。無理やりされたんだから、セクハラだろう? オレはいわば被害者なの。それより、お前がおしおきな。楽しみにしとけ」「何で僕が──」「ん? ケガの事秘密にしてたろう? それに、今、室長と小野瀬さん相手に不埒で淫らな想像したろう? おっと、嘘ついても無駄。さっきの顔見たら分かる。まあ、傷が痛まないように配慮はしてやるよ。フフフ……たっぷり、おしおきしてやるから」 わざと、そういじめたら、腕の中で唇を尖らし『ずるい』と納得いかなそうな顔。「ずるくねーよ。オレにいじめられるのは、お前の役目なの」 顔を少し前に屈め、尖らせた唇にチュッとキスをする。一旦唇を放し、想像させるように含みを持たせ言う。「それでな、お前が困ったり、恥じらったりする可愛いとこを見るのがオレの役目」 オレを見る彼女の目の奥に熱を感じる。フッと笑い、唇を愛撫するように何度も吸う。糸を引いた唇を放すと、うっとりととろけそうな彼女。これはもう、確実にキスだけで感じてる筈。それが、もう可愛くて愛しくてたまらなくなった。「なあ? なまえ。みんなのとこ戻ったら腕が痛くなりましたって言え。分かった? 一日遅れたけど、誕生日だろ? 帰って…………たっぷり、かわいがってやるから。ん?」 ちょっと恥ずかしそうにしながらも、彼女はこくんと頷く。「ん、いい子だ。いい子だから……もう少し、我慢な。でもとりあえず、我慢のお駄賃だ──」 思わず甘い吐息が漏れるような濃厚なキスをしてやる。オレのキスにとろけた彼女が、可愛くぷるっと身を震わせた。それを引き金にして胸の中に、独占欲や満足感、そしてこの後起こる出来事、二人の甘い夜への期待感が広がって行くのを感じた。ほのかな桜の甘い香りが漂う中、オレは彼女の柔らかな唇をなかなか解放出来ずにいた──。──それは、最悪のバースデー。──End.
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