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● ○ ● ○「だーから、飲むな」 酒を取り上げようとすると、するりと逃れくるくる舞うようにステップを踏みながら彼女が言う。「やーあだよぉー。だって僕のお祝いなんだからね。飲むのぉー」 あれから、犯人一味を無事逮捕出来、王女も無事だった。無事ではあったが、早めに帰国する事になりオレは一日早く通常勤務に戻った。藤守も休暇明けてみんな揃ったので、彼女の誕生日のお祝いとお花見を兼ねいつもの公園にやって来ていた。「ダーメ! ケガに響くだろ。ほーら、くるくるしないの。危ねえだろ」「だいじょーぶ! ケガなんてさ、こんなのかすり傷だもんねー。それにぃ楽しーんだもーん。昴も踊ろーよ」「何言ってんだ。もう。少しは言う事聞きなさい」 散々止めたが、意地になって結構飲んじゃってる彼女。飲みながら今みたいに動き回るので酔いがまわり既に酔っ払い、半ば駄々っ子のようだ。ちっとも言う事を聞かない。言っても聞かないので、とっ捕まえて膝に乗せ動き回れないようにした。ついでに酒も取り上げた。「ぶーぅ、室長だって、飲んでるじゃん。僕も飲むのーぉ」 膨れながら、室長を見て『ずるい、ずるい』と騒ぐ。言われた室長は確かに顔に絆創膏を貼っている。あの後、犯人の一人と格闘中の彼女が、死角から狙われヤバかったらしい。気付いた室長が彼女ごと転がり、奇襲を避けた。その際にかすり傷を負ったのだ。その時にはもう負傷していた彼女は、いつもの通りには戦えず更に腕を負傷し怪我を増やした。今も腕を吊っている状態なのだ。「ああ? ずるくない。俺はチビ助と違って本当にかすり傷なんだよ。一緒にするな。昴の言う通りだぞ。チビ助。後で痛くならないように、お前は小野瀬お母さんとジュースでも飲んでなさい」 室長からも、みんなからも止められ、それでも駄々をこねる彼女。「あーあ、はじまった。最近チビは、一柳さんには特にわがまま言うもんなー」「そうやな。酔うと特に駄々っ子になるねん。お嬢は。昴に甘えとるんやわ」「だな」「そういうチビも、可愛いからいいと思っているんじゃない? 一柳さんは」 小笠原に言い当てられて、聞こえないふりをする。彼女はまだ納得が行かずわーわーと騒いでる。
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