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● ○ ● ○(おかしい。何か企んでるのか……? コソコソしてどうもヘンだ。まあ、元々わがままでしたい放題ではあるが。脱走でもされちゃ困る。注意しないと) 思っているそばからノックがして王女が国から連れて来た執事が『お見えになりました』と来客を告げた。そんな予定は聞いてない。インカムで確認を取っていると王女が高笑う。「大丈夫よ。身元はしっかりした方達ですもの。昴、貴方にサプライズプレゼントよ。ふふふ……」 意味深な笑いが気になる。「サプライズ? それはどういう──」「おほほほ。お会いになれば分かるわよ。昴、もっと近くにいらっしゃい。こちらへ。あら、貴方護衛の癖に。貴方はどなたがお見えになるかも分からないのでしょう? そんなに離れていて、よろしいの? わたくしが身元がしっかりしていると言ってるだけよ?」 オレは王女の傍に移動する。王女が手を出した。「お出迎えするわ。ドアまでエスコートして下さらない?」 当然のように手を出す。その差し出された手を取り、立ち上がらせる。──と、王女がよろけ抱き止める。大丈夫か訊ねる途中で、王女の唇に言葉が遮られた。ぎょっとしていると王女の腕がオレの首に回りより密着した。王女の肩越しに、執事に連れられ入室して来た人物が見えた。それは、今、一番見られたくないひとだった。(やられた! 企んでたのはこれだったのか。最悪だ──) ● ○ ● ○ 目的が分からない事もあり、チビ助は憂うつそうに小さくため息をついたが、すーっと一呼吸して笑顔を作った。いわゆる、作り笑い。営業用といったところだ。小野瀬と視線を交わす。たぶん、小野瀬も俺と同じ気持ちだろう。本当は誕生日のこんな日に、こいつに作り笑いが必要な事なんてさせたくはない。でも、相手が相手だ──つまりは、仕事だ。仕方ねえ。 執事に促され、ついて行く。ドアを先に入ったチビ助が『っ!』と息を飲むのが聞こえた。目を見開き、一点を見つめたまま固まっている。(あ? 何を見てやがるんだ?) 視線を辿って驚いた。昴がロイヤルルームで、王女と抱き合ってキスしてやがった。チビ助がよろりと、ほんの少しよろけた。後ろにいた小野瀬がさりげなく支え小さな声で『大丈夫?』と囁いた。チビ助は頷くとまた一呼吸して笑顔の仮面でもかぶるみたいに、さっきの作り笑顔に戻った。
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