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● ○ ● ○ チビ助と病院から戻るとみんながわらわらと寄って来る。小野瀬も来てた。もう定時をだいぶ回ってる。時間になったら先にあがるよう言ってあったが、心配して居残っていたようだ。「お帰り。大丈夫? おチビちゃん」「はい。大丈夫です。火傷だそうです。心配掛けてごめんなさい」 チビ助は、今痛み止めが効いてるらしく割と落ち着いている。「そっか。でも、おチビちゃん。無理しちゃダメだよ。希釈されてて良かったね」「本当だよ。もし原液なら骨まで損傷してたかも知れないよ」 小笠原の言うのを聞いて今更ながらゾッとした。小野瀬がチビ助を囲う輪から離れ、スッと傍に寄って来て言った。「穂積、お前は平気?」「ああ? 俺は何ともねえよ」「お前、気付いてる?」「何を?」「気付いてないか。穂積、お前さ、青い顔してる」「…………」「おチビちゃんより、お前のがよっぽど死にそうな顔だよ。まあ、気持ちは分かるけどね」 小野瀬に指摘され自分の顔を撫でた所で、明智が報告に来た。チビ助に怪我を負わせたマル被は黙秘しだんまりだそうだ。「分かった。明日、たっぷりしぼってやるよ。お前達、今日はもうあがって良いぞ。お疲れ」「チビ。お前さー今日、誕生日なのについてないよなー」「そうか、誕生日だったね。おめでとう。おチビちゃん」「チビ、おめでとう。昴の代わりと言ってはなんだが、ケーキを持って来てある。冷蔵庫に入れてあるから、痛みが落ち着いたら食べてくれ」「ケーキ? 嬉しいなあ。明智さん、ありがとうございます」「チビ助のお祝いは、みんなが揃ってる時にでも改めてやりましょう。あとね、チビ助の怪我は暫く、ここだけの秘密。内緒よ。分かった? 特に昴には言わない事」「え? 後でバレたら、一柳さんに怒られるんじゃないんですかー?」「うーんー。その時はぁ、如月さんが怒られないように僕が昴に謝るからさ。お願い、言わないで?」「そうよ。もう約束しちゃったんだから、秘密。──鈍いわねえ。今、昴は警護任務中でしょう? 何があるか分からないんだから、集中してあたらないとね」「昴が危険になる、ということか。分かった。チビ、俺は秘密にするから安心していい。無理しないようにな。じゃあ、お先に」「俺も話さないよ。それより君、その怪我で今夜、一人で平気?」「うん、平気。心配してくれてありがとう。小笠原さん」「今夜はおとなしくしてるんだぞ」「うん、心配掛けてごめんね。如月さん」 明智、小笠原、如月が帰って行く。チビ助が自席に座り、疲れたようにため息をついた。それを見て小野瀬が声を掛けた。
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