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● ○ ● ○「──はい、ええ。なら、別の者じゃダメって事? うーん。ええ……そう、ええ……。本人に打診して、それから掛け直しでもいいかしら? 分かりました。では、後程」 彼女と外回りを終え戻る。不審人物の通報が相次ぎ、現状把握の為に聞き込みに行ったのだ。現場付近では中高生が声を掛けられたり、後をつけられたりしていた。室長は電話中だった。自席で書類を書きながら待つ。室長が受話器を置きながら、ため息をついた。どうやら良い用件ではなかったらしい。報告をするのに席を立つ。彼女も一緒に立ち、報告をする。「じゃあ、要注意ね。チビ助、付近の交番知らせて。*あひるに警らを普段より増やしてもらって。それから、不審人物を見掛けたら職質してくれるように」「はい。了解です」 彼女がすぐに自席に戻り受話器を手に電話を掛けた。「それと……昴、ちょっと良くない話」「はい。何でしょう?」 室長から用件を聞いて(マジか?)と思う。しかし、断れないだろう事は薄々察しがつく。自然と、後ろの自席にいるだろう彼女に視線が行く。室長もみんなも、オレと同じようにやはり彼女に目が行った。彼女はニッと笑って、軽い調子で言った。「ふふ。んまーうちのダーリンったら、モテモテねー。僕ってば。見る目あるじゃん。ひひひ。いい男つかまえて超ラッキー! んじゃ、ラッキーガールが皆様にお茶をば、入れてさしあげましょう。あ、室長。交番に頼んでおきました。僕もあとで目撃時刻に合わせて、現場に行ってみます。では、飲んだらハッピーになれる美味しいお茶を入れに行ってきまーす」 そう言って『お茶、お茶~♪』と節をつけ歌いながら給湯室に行ってしまった。「あーあ。チビ助ったら無理しちゃって」「やっぱり、無理してますよねぇ。あいつ」「してるわね。昴に話しながら、ずっと様子を見てたんだけど。話が聞こえた時、あの子……。ちょっと呆けた顔してね、その後でシュンとして、こう、ちょっと泣きそうな八の字眉になったのよ。でもね、アンタが振り向く前に表情変えたの。きっと、アンタが気にしないように我慢したのよ。なんとかしてやりたいけど……桂木さんの話からすると、今回はどうにも断れなさそうなのよ。私達の力不足で、すまないわねえ」「いや、事情は分かりますから」「あんなに楽しみにしてたのに」 小笠原が言う言葉にチクりと胸が痛む。『本当にごめんなさい』と室長がまたため息をつく。「いえ、本当に気にしないで下さい」(桂木さんや室長のせいじゃない。どうせあのわがまま姫様が、国王にでもねだったんだろう。本当に間が悪い。この日程ならなまえの誕生日のお祝いは改めるしかねーな。はぁあぁぁ、がっかりだ。あいつもがっかりしてんだろうな……ふぅー)「俺達の仕事じゃ仕方ないといえば、仕方ないよねえー」「確かにな」
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