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結局、藤守と室長とオレ達で替え玉のおかわりまでして、お腹いっぱいになった彼女は『サービスしてやるから、また来いよ』と送り出された。 店を出て、室長が大笑いし始める。「何? お父さん。超ウケてんじゃん」「あの店主、最後までチビ助の事『にいちゃん』って言ってたな。あはは」「ああ。そういう事は、昔からよくあるけど? そこまで、ウケるぅ? くそー。笑い過ぎー」 背後から背中にピョンとして首を羽交い締めにしようとする。「ぐぇ。チビ助ー、お前今俺にスリーパーホールドかけようとしたなー」「ちぇー、でっけーから巧くいかねーや」 手のひらを上にやれやれと肩をすくめた。「ああ? いい度胸じゃねえか。教えてやるよ。スリーパーホールドはなあ──」 技をかけようと彼女に手を伸ばすが、彼女の逃げ足の方がワンテンポ早く、室長の手はスカっと空を切る。それから暫しみんなの周りをぐるぐると鬼ごっこタイムになった。「くそーこのチビガキ。すばしっこくて、捕まらねえ。あーあ、疲れた」 そう室長が降参すると、ハアハアと肩で息をしながら彼女が隣に戻って来た。見ると赤い顔で汗を掻いている。目が合うと『へへ』と楽しそうに笑った。「楽しかった?」「うん! 超楽しかったー。へへ」「フッ、そっか。楽しいのはいいけど、汗掻いてんな」 ハンカチで拭いてやるとキャッキャと笑う。「あ? くすぐったいか? でも拭かねーと風邪引くだろう。なんだかいつもより笑うなー。顔も赤けーし。お前、酔っ払ってんな?」「へへ。いー気分らー!」 空に向かい手を広げ無邪気に笑う彼女。「あかん」「ああ、完全に酔っているな」「あんなに、走るからだぞ。チビ」「君、大丈夫?」 藤守、明智さん、如月、小笠原がちょっと呆れ気味に声を掛ける。彼女は現状が分かってるのか、分かってないのか、相変わらず無邪気に笑っている。「あーあ、しょーのねーお姫さまだこと。ひーめ、背中に乗って下さい」 酔っ払いの彼女に背を向けて屈む。『おんぶ? おんぶ?』と聞く彼女に頷くと『わーい』と大喜びで背に乗って来た。おんぶされながら、ますます上機嫌になりオレにしっかりと抱き付き『あったかーい』だの『幸せー』だの言っている。
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