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「その布団っていうのは何?」 小笠原が説明すると『見たい』と騒ぎ出したので布団の用意をすると、珍しそうに寝心地を確かめるように叩いたり、眺めたりした。その内、布団に寝ると言い出した。 まさか、この狭いオレの部屋に王子を寝かせるなんて……。かといって寝室のベッドの脇や、リビングになんてのもおかしなもんだ。どう想像しても前代未聞だ。父さんもオレ達も、捜査室のみんなも困り果てた。「幾ら何でもねえ……」 室長もさすがに途方に暮れたように言葉を探す。アルさんが察してたしなめた。「ロベルト様、これ以上わがままはいけません。わがままを言うなら、わたくしとホテルに参りましょう」「えーやだよ。今夜は俺、なまえちゃんの家に招待されたんだから」 そうせざる得ない状況だったとはいえ、招待した彼女は焦った。如月がそれを見ていて言った。「王子、チビ達のベッドの方がきっと寝心地も良いですよ? 俺なら、断然チビのベッドに寝るけどなー。こんな機会滅多に無いだろうし、チビの残り香がするかも知れないベッドなんて、いい夢見られそうじゃないですか」「なまえちゃんの桃の香り? ……そっか、アル。布団は譲るよ。俺、ベッド借りる」 王子は上機嫌になったが、彼女は真っ赤になった。オレはおもしろくないのを必死で堪えた。「昴、我慢よ」 小声で室長にも釘を刺された。 そんなこんなで王子に休んでもらった。明智さんが言う。「昴、お泊まりなら明日の朝の朝食はどうする?」「ホテルでとっていただいた方がええんちゃいますか?」「俺も藤守の案が一番無難だと思うけど。また彼女の手料理が良いって事になりそうな気がする」 小笠原の指摘も、ありそうな気がした。「じゃあ、秘書に食材を手配させよう。なまえちゃん、大丈夫かい?」 父さんが心配するので、無理にも笑顔を作り『頑張ります』と言う彼女。「なら、メニューを決めよう」 それから話し合い、アルさんにも意見を聞きながら一応、洋食も出来るように逃げ道は確保して和食にした。 父さんの秘書さんに食材の調達してもらい、父さんの帰宅を見送る。オレ、彼女、明智さんで下ごしらえに掛かった。他の連中は警護任務。アルさんには、長旅と心労で疲れてるだろうと休んでいただいた。
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