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『いただきまーす』みんなの声に、彼女が何気なくお母さんのように答えた。「はい、たんと召し上がれ」「え? 今、なんて言ったの?」 聞き慣れない言葉に、王子が質問して来る。小笠原が説明した。「日本の言葉で、たんとは沢山という意味です。だから、彼女は沢山食べて下さいと言いました」「そういえば、昔は母親に言われたもんだけど。今はあんまり聞かないわねえ。チビ助は古くさい所があるわね」「えー。古くさいってひどい」「じゃ、古風。あらチビ助、何タコになってんのよ。一応、褒めてるのよ」「むぅ。なんか褒められてる気がしない」「でも、母ちゃんに言われてる気分になる。俺は嫌いじゃないな」「なんや、如月。北海道のおかんが恋しいなったか?」「北海道かあ。最近、帰って無いなー。妹達も今頃ひな祭りしてるかも」「如月、ホームシックか?」 明智さんが、言うと『そんなんじゃありませんよ』と言いながらもちょっと寂しそうな如月。王子が聞く。「北海道? そこは、ここから遠いの?」「そうですね。日本国内ですから、王子の国へ行くよりは近いですけど。今春に開通する北海道新幹線ならだいたい四時間程度……飛行機ならもっと短時間で、約一時間半から二時間程度ですかね。良い所ですよ。魚介類とか旨いものが沢山あります。冬はちょっと寒いんですけどね。室長の実家も九州だから遠いですよね。俺の実家は北ですけど室長は南」「そうねえ。考えてみると、捜査室(うち)は大阪だの、名古屋だの色々いるわね。でも東京育ちがやっぱり一番多いか。明智に昴にチビ助」「へぇー。なまえちゃん達は東京なんだ」「はい。ロブたんの国はどんな所なんですか? 資料では拝見しましたけど。僕は、あまり日本から出た事がないので。良ければ、お話聞かせて下さい」「俺の国、アルタリアはね──」 それから、出身地の話に花が咲き会話の弾む楽しい夕食になった。そろそろお開き、ホテルへという雰囲気になり王子がにこやかに口を開いた。「料理もデザートもとても美味しかった。こんなに楽しい食事は久しぶりだったよ。ありがとう……ねぇ、今夜ここに泊まったらダメかな?」 まさか泊まるとまでは思っていなかったオレ達はかなり驚いた。「え? でもロブたん、うちにはお客様用の部屋もベッドも無いんですよ。多分、ホテルの方が快適かと──」 彼女の説得もアルさんのお小言も効果なく、我が家にお泊まりしていただく事になってしまった。 我が家にはオレ達のベッドしかないので、ベッドメイキングをして寝てもらう事にして、アルさんには、客用の布団を出した。どのみちオレ達は警護任務中で寝ずの番だ。でも、部屋も狭くやはり恐縮する。彼女はアルさんに、ペコペコと謝った。「布団で眠れるでしょうか……すみません。狭い上に、ベッドもご用意出来なくて」「いえいえ。ご迷惑をお掛けしているのはこちらの方ですから」 またペコペコし合ってる側で、王子はどこ吹く風だ。
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