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「そうですよねえ。如月くん、それはそうやろう。お嬢があんなにキャイキャイと『これすごく好きなんだよねえ』とお目々ハートにして騒いどったらやっぱり、どんなんやろう? と気になるわな」「で、どんなの? と聞くと説明してくれる。おチビちゃんは説明が上手いから何となく興味が出て来る」「彼女がすすめるものは、成人男性に該当する俺達が見てもついて行けるものが多い」 小笠原が眼鏡をクイッとやりながら言う。奥で明智さんが『だな』と頷いた。「チビ助がよく話すなら、知ってた方が話しが理解出来るじゃないよ。このじゃじゃ馬娘はね、日頃から何を考えてるのか、ある程度知ってた方がいいのよ。そうすれば、暴走した時にも対処しやすいわ。それにそういう中には、おもしろいのもあるしねえ」 室長の言葉を聞いて彼女の唇がちょっと尖った。「なんか、どさくさに紛れて言いたい事言ってませんか?」「い、いやーそんな事無いわよ? 当日私も行くわ。頑張ってちょうだい。お父さん応援するから」「はぁーーい」「所で、仮装パーティーの予定だったんなら衣装は大丈夫なのかしら?」「はあ。それはオレのも、なまえのも、もう用意出来てます」「あ! でも、あの格好で今の踊れるぅ? この格好と訳が違うよ?」「衣装つけて試しに踊ってみるしかねーな」 試した結果、多少踊り難いが仮装しても踊れた。でも、大勢の前でやるとなるとまだ練習も必要だし、黒執事キャラになりきってやる交通安全教室の台本もいる。通常任務プラス、プロジェクトの関連業務。それに加えて、それらの事もこなさなければならない。今度は、オレ達が大わらわだった。キャラクターの仮装という事で、関係する方面などへの連絡も必要になって来たが、そういう諸々は室長がやってくれた。忙しい中、昼休みや居残って筋書きを考えている時に、如月がちょっかいを出した。余裕もあまりない状態の彼女は、ちょっとキレた。ムッとして『如月さんも出るべき』と出番を作り、役を割り振った。「如月さんはソーマ・アスマン・カダールね。わがままだから、ぴったり! 小笠原さんコスプレサイトで衣装探してくれますか?」「了解」「えー? なんだよぉー。チビ、わがままって、酷いなあ。ってか、俺出るのー? 踊れないよ?」「手が空いてるから、ギャースカ言うんでしょ。なら、やればいい。したがって! 如月さんは、ソーマ・アスマン・カダールを、やればいいの! 以後、こちらでは反論は受け付けません。異議申し立ての際は、室長に直接お願いします」「そうねえ。二人だけにやらせるのもね。アンタと藤守。教室の時に、出なさい」「ええーー」「ええーじゃない。業務命令だから」「如月ー。自分、余計な事を言い過ぎやで。おかげで、俺まで捲き込まれてもうたわ。ほんまにしょーもない」「昴。猫耳、やめるよ。あれは一緒に遊びたかったから買ったんだもん。仕事だからやめる!」「お、おお。分かった。今度、遊ぼうな」 怒りながら言う彼女に同意すると──。「ちょっと、昴。猫耳って?」「あ、ああ。室長。それは後程──」 言ってるそばから、彼女がジロっと見る。「ああ。そ、そうねえ」 最近、彼女はご機嫌斜めなのだ。 そして──。 ついに当日を迎えた。
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