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「なまえ」 オレが呼ぶと振り向いた。完全にしょげてる。「すばるぅ。まただよぉ」「ん、楽しみにしてたからな。今年も行かれなくて残念なんだろ? そんな泣きそうな顔すんなよ。今年がダメでも、来年もあるし、この先幾らでも機会はあるよ。な? それにさ、ステージで踊るのも、楽しいかも知れないぞ?」「そうかなあ」「そうだよ。だって、練習の成果を発表出来るワケだろ? なあ、セバスチャンとシエルになりきってさ、ノリノリでやっちゃうか?」「なりきって?」「そうですよ、坊ちゃん。おや? もしや怖気づいたのですか?」 からかうようにニヤリとセバスチャンの真似で言ってやる。彼女はパチパチと数度、瞬きをした後でしょうがないなあと言う風にフッと口元をゆるめてから表情を変え、ちゃんとシエルの声真似をしてノって来た。「貴様! この僕を馬鹿にする気か。ふん、それくらい造作もない!」(さすが、なまえだ。こっちが求めるものを理解してすぐに反応して来る。オレの女房は頭の回転が速い)「・・・クスッ・・・」「嫌なことを忘れ、踊り明かすのが夜会の礼儀だろう。セバスチャン、お前こそちゃんと出来るんだろうな?」「ファントムハイヴ家の執事たるもの、このくらいできなくてどうします?」「僕は怖気づいたりしない。女王の命なら致し方ない。セバスチャン、命令だ。僕と共に踊れ。お前は僕の傍を離れるな、いいな」「御意、ご主人様。(イエス マイロード) 貴方が望むなら、どこまでもお供しましょう」 みんなが、パチパチと手を叩き『おおぉー』と声を漏らす。如月が寄って来ながら言った。「いやー、チビも上手かったけど、一柳さんも似てましたよ?」「ああ、お嬢が真似上手なのは分かってるしな。いつも通り上手い思うたけど、昴までとは知らへんかったわ。自分、すごいやん」「そうよ、アンタ達。似てたじゃない。これなら大盛況、間違いないわ。ふふ。これで交通課、総務、色んな所に恩が売れるわねえ」「穂積。お前、黒いオーラが漂ってるぞ。でも二人とも、本当に似ていたよ」「えー小野瀬さん。黒執事知ってるんですかー? 室長も? 明智さんまで? 皆さん、知ってるんですかー?」 如月が言うと、みんなが口々に答える。「ああ、俺達は知ってるぞ。なあ、小野瀬」「そうだよ。おチビちゃんが好きなものを知らない訳ないだろう」「俺も知っているぞ。うちの奥さんが録画して見ていたからな。もっとも、チビにすすめられたらしいが」「俺も知ってる」「ええー小笠原さんも? 本当ですかー?」「何? 如月。俺が知ってちゃおかしい?」「だって、皆さん、アニメなんて見なさそうじゃないですかー」「そりゃあねえ、でもやっぱり多少は、興味出るんじゃない? ねえ?」 室長がみんなを見る。みんながちょっと笑いながら頷く。
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