横恋慕。
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定主人公は男装女子なので男でも女でも通用する名前がおすすめ。
例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
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「なまえ、俺決めたよ。もう遠慮するの止めるわ。これからは、もっと素直に行動するよ。人間、素直が一番だろう? そう思わないか?」
言われた彼女は『う、うん……』と返事を返しながらも、イマイチ展開が読めず戸惑った顔で首を傾げる。
「だよな。お前なら賛成してくれると思った。で、早速だけど、なまえ。俺、交番勤務時代からお前に惚れてた。本店異動の希望の動機のひとつは、お前の傍に居たいってのもあったんだ。今も、滅茶苦茶惚れてる。すごい好きだ」
「え? ええー! あの、でもそれはお断りし──」
「うん、あの夜、はっきり断られたよな。俺も諦めようとした。気持ちを押し殺して、忘れようとした。でも、出来なかった。会いたくて、会いたくて。気が付くといつでも、お前の姿を探してた。お前の事ばっかり考えてた。忘れようとすればするほど、苦しくなってどうしょうもなくなって……忘れるなんて、無理だったんだ。だから、もう無理しない」
「で、でも、僕は結婚してるし、応えられない」
「分かってる。お前になんかしろって言うつもりはないんだ。とりあえず、俺、お前の応援団になるよ。お前が幸せでいられるように見守る。お前が幸せなら良いんだ。それに知ってるか? いまや、日本じゃ、三組に一組のカップルは離婚しているんだぞ」
「り、離婚って……僕は離婚なんてしないよ」
「ん、なまえはまっすぐだからな。そうだろうと思う。でも、お前の旦那さん、超イケメンだからな。浮気される事もあるかも。お前、浮気許せないんだろう? 聞いたよ」
「え? 昴は、浮気な──」
「うん、浮気なんてして欲しくないよな。信じてるんだろう?」
「うん」
「だよな。こうは言っても、俺もお前の不幸を祈ってる訳じゃないよ。要は一柳さんがお前を大事に幸せにしていてくれるなら、俺は黙って見守る。ただ、そうじゃない時は遠慮しないって事」
「はぁ? 黙って聞いてれば、好き勝手言いやがって。谷田部、お前は本当に往生際の悪りー野郎だな」
「ははは、そうだな。自分でも思うよ。だけど、それだけなまえに惚れてるんだから、仕方ないだろう。一柳さんこそ、もしかしてこの程度の宣戦布告で、嫌気がさした? それなら、喜んで俺が彼女引き受けるけど?」
「ああ? 誰が嫌気がさしたって? ふん、オレの女房はいい女だからな。お前みたいなお邪魔野郎が寄って来るのは、はなから承知してんだよ。言っとくがな、お前が老いぼれて死ぬまで待ってても、なまえはお前のもんにはなんねーよ。オレ達はじいさんばあさんになっても、ずーっと愛し合って寄り添って生きるんだよ。こいつはオレのもん。誰にも渡さねー。オレの手で幸せにすんだよ。分かったら、とっとと諦めろ」
「ふぅーん。本当に大事にしてくれてるみたいで、安心したよ。この先もその調子で大事にしてくれよ。俺にとっても大事なひとなんだからさ。もしも、泣かしたら奪いに行くからそのつもりで。ふふふ、じゃなまえ、またな」
言うだけ言うと、爽やかな笑顔で去って行った。彼女は唖然として、それを見送るとオレを見た。びっくりな展開に、顔が白くなって取り成そうと何か言おうとするが、焦り心配し過ぎて言葉にならず『あう、あう』言った。
今にも卒倒しそうな彼女を引っ張り『大丈夫だ。心配すんな。な?』となだめた。落ち着いて来た彼女はオレの胸で、ぽそっと『ご、ごめん』と謝った。