横恋慕。
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定主人公は男装女子なので男でも女でも通用する名前がおすすめ。
例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
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「藤守さん、あれですよねー。関西弁だと女の子にモテないからーとか気にしてるんですよねー」
「なっ! き、如月、うるさいわ!」
「ほんまなん? 賢ちゃん、あかんわ。関西弁かてええやん。そんなこんまい事、気にせんと、賢ちゃんらしいしとったらええねん。そしたらな、あんさんの良さ分かってくれる優しい彼女さんがきぃっと出来るて。賢ちゃんは優しぃて、ええ男やねんから」
「お嬢……ほんま、キミはええ子ぉやね。はー。人のもんなんが惜しいわ。あんなあ、もしもキミ、離婚したらな。賢ちゃんとこお嫁さんにおいで。バツイチでもかまへんよ。そしたら一生大事にしたるさかい」
「ええ? あんさん何を、言いだすねんな。いややわぁ。離婚なんてするわけあらへん。そないな冗談、やめてぇな。シャレにならんわ。笑われへんよ」
「冗談やないんやけどなぁ……」
藤守が呟く。奇妙な展開にみんなが様子を伺う。
(何だと? 冗談じゃねー!)
「あぁー! なまえ、もうおしまい」
「何? おしまいてな──むぐっ……」
まだ関西弁を続けそうな彼女の口を押さえる。パチパチとまばたきを繰り返す彼女に言い聞かせる。
「いいか? よく聞きなさい。あのな、お前が関西弁で喋ると藤守が勘違いする。だから、もうダメ。お前は東京の子だろ? 普通に話しなさい。分かった?」
頷く彼女に『よし』と手を離し、藤守に向き直るとビシッと言う。
「ぜーったい、やんねーぞ。離婚もしない。こいつを一生大事にするのは、お前じゃなくて、オレの役目なんだよ。譲らねーぞ。幾らお前でもな。もし、手出したら……ただじゃおかねー」
「こ、怖っ」
如月がビビる。
「やっぱりあかんか。そやろうなー。ラブラブやしな。はぁー。しゃーないな。ほんなら諦めて他、探しますわ」
「ああ、そうしろ」
(ったく、油断も隙もねーな)
そう思うオレをチラリと見ながら室長が言う。
「天然だからねえ。イケメン王子も大変だわねえ」
「ま、その天然なとこも魅力のひとつなんだけどねぇ。それにモテ王子さまだって、ご多分に漏れず計算高いプリンセスはお嫌いだろうしねぇ。隙いっぱいの狙われ放題でハラハラさせられても、天然の方がはるかにお好きでしょう。というか、もうそれで無きゃダメなんだろう? 王子さま」
小野瀬さんと室長がフッと笑う。
「そうですね。幸い、姫の王子さまはオレだけみたいですし。守れば良いだけの話ですから」
「おっ、何だ。ヤキモチ王子も進化してんな。はっはは」
すまして言ったオレに室長が愉快そうに笑う。
(だって仕方ねーだろ。そんななまえに惚れてるんだから。天然なんて直るもんでもねーだろうし。モテなくなる事も多分、ねー。なら、彼女の心が離れないように惹き付けて奪われないように守るだけだ)
のんきそうな顔でモグモグと飯を食う彼女を見ながらそう思う。