横恋慕。
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定主人公は男装女子なので男でも女でも通用する名前がおすすめ。
例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
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「フン、肉食で悪いか。チビ助、ほら、肉を食え、肉を」
そう言って自分の弁当から肉を取る。そして、その肉を、小野瀬さんとのやり取りを見ながら、煮物を食べようと口を開いた彼女の口に、突っ込んだ。彼女は、急に入れられた肉に驚きながらもモグモグとし『ありがとう』と礼を言った。室長が『ああ、旨いか?』と聞くのに『うん』と頷き『旨い!』と答える彼女。それを目を細め笑う室長。とても自然に展開される光景。
「いいか? チビ助。若いうちはとりあえず肉だ。肉を食っていれば、人間は幸せになれるぜ。まあ若造でも老人でも、人生に悩みは尽きないが、しかし美味しい肉を食えばそんな悩みはすべて解決する」
教えるように言う室長に、彼女は『ん』と答えてから『へっへへ』と笑い出した。
「室長、それー気に入ったんだぁ」
「あ? 何だ?」
「その言葉の、出所は忘れたの?」
小笠原がボソッと室長に聞く横で、彼女はケラケラ笑う。
「あ? 出所? チビ助何、笑ってんだよ?」
「完全に忘れてるね。それ、チビが家から持って来て昼休みに室長に見せたアニメの台詞だよ。彼女に『室長に声が似てるよ。見てみてー』って見せられたでしょ。で『焼肉のシーンが旨そうだ』って、二人で盛り上がって。リプレイして繰り返し見て『焼肉ぅ~』って二人で雄叫び上げたんでしょ」
小笠原の説明に室長が思い出す。
「あ、アレか! 歌、覚えろって言ってたやつな。チビ助は他にも俺に、色々見せるから忘れてた」
「へっへへ。思い出した?」
「ああ、その言葉。何となく覚えたんだ。でも、その通りだろう」
彼女は『うんっ!』と子供みたいにニカッと笑い素直に頷いた。
室長はそれを見て、もう一度満足気に微笑んだ。この二人は、相変わらず仲が良い。
(仲が良いのも、なまえを可愛がってくれるのも有り難い。良いんだが……。ちょっと心配になる。これから、なまえが異動して穂積さんが上司じゃなくなったとして。上司と部下の縛りが無くなった時、この二人の関係はどう変化するんだ? ……もしも、もしもだが、穂積さんが所謂、その気になったら……。これだけの男だぞ? なまえを奪う事は簡単なんじゃないか?)
たまにこんな心配が、心を過る。あり得ないと打ち消してみても、またふとした時に不安になるんだ。
(下手な勘繰りは失礼だ。分かっちゃいるが……。何が起こるか分からないのが男と女だ。実の所、話題の谷田部以上にこの人の事が心配だ)
オレは桂木さん同様に、この人をすごい人だと思ってる。上司としてももちろんだが、人間的にも男としてもスゲーと思う。そんな男にもし本気になられたら、かなり強敵になるのは間違いない。
(結婚したら少しは安心出来るかと思ったが、なかなかそうも行かなかった。相変わらず心配は尽きない。ま、こんないい女だからな、仕方ねーと言えば仕方ねーな)
などと考えていると、彼女が『あーん』と口を開けろと催促した。
『ん?』ととりあえず言われるまま、口を開けた。自分の肉を、オレの口に入れる彼女。
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