横恋慕。
夢小説設定
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例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
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聞いていた話や見た目の印象と違い、あいつは何でも一生懸命だった。接してる内に俺の見てたものが、間違いだと気付いた。それから、ようやく俺は色眼鏡を外して、きちんとあいつを見る事が出来たんだ。
(あいつの良さが見えて来るとどんどん惹かれて行ったんだ。あいつといると仕事も、それ以外も、楽しくて毎日が輝いて見えた。そして、あいつが交番勤務にも慣れた頃、あいつを訪ねて藤守さんと穂積さんが来るようになったんだ。ああ……あの時、気持ちを伝えてれば良かったのかも知れない。あの時はまだ真山は、あの男と出会ってない。あの男より先に、男らしくお前に打ち明けてたら、今違ったのか? 真山……)
尋ねる事も出来ない、堂々巡りの思考に、苦笑いする。俺はなんてバカなんだ。情けないなと酒を呷る。
そして……
ふと俺の隣に、ふざけて笑うあいつの幻を見る。
でも、所詮は幻影だ。その頬に触れたくて手を伸ばしても、俺の手は虚しく空を切るだけ。
(これが現実。俺はフラれたんだもんな……)
いつもの飲み屋のテレビから、あいつの好きな俳優が結婚すると流れるのが耳に入った。
(あー、真山が悲鳴を上げそうだなあ。ふふふ……この俳優が好きなの知って髪型や服装真似したんだよな。似てると周りから言われた時、嬉しかったな。あいつの好みに近付けた気がして。何だか、昔からバカだな俺)
苦しくて、寂しくて。酒に飲まれ眠れば、未だにあいつを夢に見る。
また、今夜も……あの男の隣で眠る君を、ひとり夢に見る。
──真山、どうしたら、お前を忘れられるだろう……。
● ○ ● ○
定時を二時間程過ぎた頃、オレ達はまだ捜査室にいた。今日は室長をはじめ勢揃いで、残業をしていた。日中やる時間が取れずに溜まった書類仕事をそれぞれやっていた。
「はあー、なんか腹減りません?」
如月が言い出し何か食べるかという話しになった。そこへ小野瀬さんがやって来た。
「穂積ー、頼まれてたの上がったよ。はい。特別に持って来てやった」
『あ?』と何か言い掛けた室長を遮り、小野瀬さんが『ところで、君達』とこちらを見た。
「まだ残業? なら、みんなはご飯どうするのかなぁ?」
「あ、丁度、出前を頼もうとしてたんですよ。小野瀬さんも頼みますか?」
如月の言葉に『やっぱり知らなかったか』と小野瀬さん。室長が聞く。
「何をよ?」
「さっきラボで電話したら、今日、出前は軒並みアウト。最後の砦のいつもの店もおやじさんが風邪でダウン。臨時休業なんだよ。で、穂積達も残業みたいだからどうするのかと思ってね」
『えぇーっ』如月が悲痛な声を出し、電池切れと言わんばかりに机にバタッと倒れ込む。
「なら、僕が何か買って来ますよ。みんな何が良いですか?」
彼女は言いながら席を立ち、さっそくメモを取りながらみんなに希望を聞き始める。
この寒くて暗い中、一人で行かせるワケには行かない。
彼女が聞いてる間に素早く外へ行く支度をし、彼女のコート類も取って来る。