横恋慕。
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定主人公は男装女子なので男でも女でも通用する名前がおすすめ。
例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
しかし、またしてもあの男に邪魔された。
事件だと言われては引き下がるしかない。
あいつを見送りながら、俺は苦虫を噛み潰したような気分だった。
(あの男……。全く忌々しい)
● ○ ● ○
その後異動した俺に、あいつと働ける機会が早々にやって来た。人手が足りず担当する案件の捜査協力を、捜査室に頼む事になったのだ。
捜査する内に、あいつが犯人から狙われている事が分かり、俺はあいつを守ってやりたいと思った。傷付きうまく笑えなくなったあいつは痛々しくて。本当は、あいつと組んで、あいつの傍で守ってやりたかったんだ。
でも……
あいつの隣にはいつもあの男がいた。二人にはお互いを信じ合っている空気感が出来上がっていた。相棒だからか、とも思ったがそれだけではないような気がした。
(もしかしたら真山は、あの男が好きなのか……?)
嫌な予感がした。だけど、認めたくなかった。
(……認めたら諦めるしかなくなる)
だが、捜査の為にワンピース姿であの男と現れた彼女を見て気付いてしまった。女の子の格好で、はにかんだ笑顔を向けるその先に……。あいつの視線の先には、あの男がいたんだ。その表情が全てを物語ってた。俺は彼女があの男を好きなのだと、核心してしまった。
(遅かったって事か? けど、やっぱり好きだ。諦められない……。まだ奪い返せるんじゃないか?)
ヤマが片付いた後も、俺の中にそんな想いが残り離れなかった。
結局、告白して玉砕。やっぱりあいつは、真山は、あの男が好きだった。本気だと真っ直ぐな瞳で言われた。
どうやらあの男も本気らしく二人は今秋に結婚した。真山はもうあの男の女房だ。
はっきり断られたのだし、人の女房にいつまでも横恋慕していても仕方ない。いい加減、思い切るより仕方ない。
だけど──。
笑い合ったあの日々を、忘れられない。
次に踏み出せない。
会いたくて、声が聞きたくて。
気が付けば、いつもあいつを捜している。
(いるはずない)
そう思いながらも、あいつの姿を探してしまう。
偽りでも何でも、かまわない。この苦しさを忘れさせてくれるのなら。
誰でも良いんだ。あいつじゃないなら、誰でも同じ。
この潰れそうな心を紛らわそうとするけど、それが可愛い子でも、美人な子でも、ダメだった。
誰といても、やっぱりあいつを求めてる自分に気付いてしまう。
欲しいのは、あいつだけだと気付いてしまう。
(何が、いけなかった? やっぱり最初の頃の俺の態度か? ふっ、ふふ……確かに最悪だったな)
あの頃の俺は、今より若いせいもあり妙に頭が固い所があった。あいつをよく知りもしないのに、
耳に届く悪い評判を信じて頭から悪い印象を持ってしまった。決め付けて掛かった。
そんな俺に、おやじさんが見兼ねて言った。
「和、ちゃんと両目を開けて見てるか? 惑わされて目が曇れば真実は見えないんだぞ」
尊敬してるおやじさんの言葉をきっかけに俺はあいつを気に掛けるようになった。