横恋慕。
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──横恋慕。
(谷田部の場合)──
あの日……。
あの男を見た時に、なんとなく嫌な予感がしたんだ。
久しぶりに会った真山は、以前よりキラキラして見えた。相変わらず可愛くて、その笑顔がどれだけ見たかった事か。
真山が、交番勤務から異動して毎日のように顔を合わせていたのが、あいつはスカウトされて*本店に異動になった。忙しくなりもう会う事もままならなくなった。
いつもの習慣か、それとも会いたさゆえか、あいつが異動して行った後も、ふとした時につい、そこにいない真山に声を掛けそうになった。
(ああ、あいつはもう居ないんだ)
そう思う度に切なくて会いたくて、声が聞きたくて堪らなかった。
俺は元々、刑事志願だったが[早く刑事になって本店に行きたい]その思いが強くなった。不純な動機といえば、不純かも知れないが。どうしても本店であいつとまた働きたかった。
そんな時にもたらされた情報は、最悪なものだった。ゾッとしたのを覚えてる。
あいつが、警視総監を庇い死に掛けたという。おやじさんも俺も心配で心配で生きた心地がしなかった。
その少し前からあいつに連絡が取れなくなっていた。知りたくても様子が分からなかった。
仕方なくおやじさんがあいつの今の上司である穂積さんに連絡を取り、安否を尋ねた。それによれば、命はとりとめ現在は某所で療養中。捜査中の案件に関わる為詳しくは教えてもらえなかったらしいが、無事に回復しているとの事だった。
あいつが気になるが俺には成す術が無い。ジリジリと時を過ごした。
そんな事があった暫く後、本店の捜査一課の担当する*ヤマが管内で発生した。俺はそのヤマで運良くチャンスを掴んだ。
働きが良かったと目に止まる事が起きた。偶然のようなものだが、とにかく本店で働ける事になった。
本店で挨拶を済まし、早速あいつに会いに行った。
あいつの元気な姿を見た時、嬉しくて嬉しくて本当は抱きしめてしまいたかった。
抱きしめたかったが、そういう訳にはいかない。
俺達は、そういう関係じゃない。あいつは俺の気持ちすら知らない。気持ちをまだ伝えていなかったんだ。
最初が険悪で最悪だったし、同じ職場では躊躇われ、言う機会を逃していた。
だから、ホワイトデーに会いに行けるのは丁度良いと思った。俺はあいつに告白するつもりでいた。
昼を誘ったがあの男に邪魔された。そいつは、かなりのルックスで、モテそうな男だった。今のあいつの相棒だと言う。
正直、焦った。そいつと挨拶を交わした時に、あいつに気があるのが分かった。にこやかな顔で握手した手をぎゅうぎゅうと締め付けて来たし、目が笑ってなかった。負けてたまるかと内心思いつつ、俺も笑顔を張り付けてぎゅうぎゅうやり返してやった。
お昼は結局、連れ出す事が出来ずに捜査室で皆さんと一緒に取る事になった。
機会を逃したのは残念だったが、その代わりあいつの学生時代の写真を見る事が出来たし話しが聞けた。
あいつの学生時代の写真にはちょっとびっくり。だけど、あいつらしいとも思った。
そこまでは良かった。見送りに出てくれたあいつと話しも出来、夜時間を開けてくれと誘えた。
*本店:警視庁
*ヤマ:事件
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