I was praying you'd be here with me.
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定主人公は男装女子なので男でも女でも通用する名前がおすすめ。
例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
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少し前に東京へ着き、街中を急いでいた。室長にもう一度電話を掛け、現在地を聞いた。
彼女は急な雨に雨宿りをしてると室長が教えてくれた。確かに先ほどから、静かな雨が降っている。濡れるのも構わず、オレは彼女の元に急ぐ。もう、すぐそこにいる筈だ。
(いきなり帰ったらあいつ、どんな顔するかな? 早く会いてー)
ふと前を見ると、閉店した店の軒下に彼女を見付けた。彼女は空に向かい一心に祈ってた。
何だかその光景が神聖さを感じさせ、一枚の絵画のように見えた。それは、どんなイルミネーションよりも綺麗だった。もう少し見ていたくて声を掛けずに見つめながら、そっと近寄った。
そんなオレの耳に、オレの名を呼ぶ彼女の声が響いた。寂しそうな声。
(もしかして、オレに会いたくて祈ってた? 本当にこいつは……)
堪らなくなって彼女を腕の中に包んだ。
「う、うわぁーっ! な、な……」
突然な事に、驚きの声を出す彼女に吹き出した。
「はっはは。オレだよ。ふふ。さすが、クリスマス。奇跡が起こったな。こんな所で、天使を捕まえられた」
笑いながら腕の中の彼女を見ると、きょとんとしてた。
「え? 昴? 本物?」
「あっははは。何だ、それ。本物に決まってるだろ。んーこの天使さんは、本物か? どれ……」
オレを見上げる彼女に顔を寄せ、口づけた。彼女の腕がしっかりとオレを抱きしめる。唇を離し『ただいま』と言うと、彼女の目が潤み涙が零れ落ちた。
「あ? な、何だ? どうした?」
「だってぇ……今、会いたいって思ってたら、君が……うへっ……嬉し……昴ぅ、昴ぅ。会いたかったよ」
「ああ、オレもだ。会いたかった。……寂しかったか?」
「ん、寂しかった……」
「ごめんな。よし、よし……所で、頬っぺ、どうした?」
「捕まえる時、肘が、がーあんって」
「ああ? ぶつかったのか? お前はちょっと目を離すとこれだ。お前は、ほんとオレが居ないとダメだな。痛むか?」
「いだばない……ひぃーん……」
「あーあ、そんなに泣いて。赤鼻のトナカイさんになっちゃうぞー。ほら、顔拭いてやる」
彼女の顔を拭いてやる。鼻先が、すでに赤くなってた。
「遅かったか。天使が赤鼻のトナカイさんに化けたな。ふふ、まっトナカイさんでも可愛いから良いけど」
「ねぇ、天使って、ズッ……何の事?」
「んー? 内緒。絆創膏貼って。ここもか?」
「うん。切れた。ねぇ、でもね、頑張ったんだよ? だから褒めて?」
「どうしようかなー」
からかうと『むぅー』と口を尖らせて、オレの手を掴み自分の頭に乗せた。
「もー、クリスマスにケチケチしないの。ね? いーこ、いーこして?」
ねだる彼女に笑いながら、頭を撫でてやると『えへへ』と子供みたいに笑い、オレに抱き着いて『昴~ぅ』と顔をスリスリした。甘える彼女が可愛くて、やっぱり帰って来て正解だったと思う。彼女は、顔を上げてとても嬉しげな顔をした。その後で、オレに満面の笑顔を向けた。
「昴、お帰りなさい。ふふ……」
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