I was praying you'd be here with me.
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定主人公は男装女子なので男でも女でも通用する名前がおすすめ。
例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
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それから、証拠品のチェックが終わり、みんなで帰り支度をした。
警視庁を出る頃、藤守さんが『どっか寄りませんか?』とみんなを誘った。室長は車を置いて行く事にして、僕達は街に繰り出した。
クリスマスイブのせいか、店はどこも満員で『空いてねえなー』と言いながら、僕達は街中をさ迷い歩く。
街はイルミネーションが美しく、クリスマスソングが流れてた。グループで騒ぐ連中、眠った子供をおぶったり、抱っこしたりして歩く家族連れ、幸せそうなカップル。みんな楽しそうな顔をしていた。
「おーい、チビ助。そんなに寂しそうな顔すんな」
室長が慰めるみたいに、大きな手でわしゃわしゃと僕の頭を撫でた。
「え? さ、寂しくなんかないよ。た、ただお腹、空いたと思っただけだもん……」
そう強がると室長が優しい顔で笑う。
「大丈夫だ。お前はいい子だから、きっとサンタさんはプレゼントを届けてくれるぞ。今夜は、クリスマスイブだからな。良い子はプレゼントを貰える日なんだよ」
「そうやで、チビはええ子やからきっと良い事あるて」
「そうそう」
藤守さんと小笠原さんもまた、優しい声で言う。
(何か……今夜、みんなが優し過ぎて困る。また泣けて来そうだよ)
「あっ、雨」
小笠原さんの声に上を見上げると、ポツポツと雨が振り出して来た。みんなで、近くの閉店中の店の軒下に逃げ込んだ。雨はしとしとと降り、すぐには止みそうになかった。
「あそこに、コンビニがあるな。走れば行けるだろ。傘、仕入れて来るか。藤守は、隣のドラッグストアで使い捨てカイロ買って来い。小笠原は俺と一緒に来い。チビ助は濡れないように、ここにいろ。おっと、僕も行くは無し。こんな日くらい、女はサービスされて尽くされてろ。いいな? 待ってろよ?」
そう言って、みんなはあっという間に走って行った。僕は言われた通り、大人しく待つ事にした。
雨に濡れた街はイルミネーションが、一層キラキラ輝いて見える。金、銀、それから赤と緑のクリスマスツリーや、白と青のツリー。キラキラ、キラキラ……。雨のせいか、あまり音もない。美しく輝くイルミネーションに、暖かそうな窓の明かり。楽しげな笑顔。静寂がそんな諸々を包み込んでいた。
ふっと隣に昴が居ない事が、無性に寂しく感じる。
近くのレストランの扉が開いて、カップルが寄り添い出て来る。その時にクリスマスソングが漏れ聞こえた。
(あ、これ。去年昴と見た映画の主題歌だ……ふふっ。去年はくまさん所でディナーして、ホテルにお泊まりしたんだよね。二人でお風呂に入ってシャンパン飲みながら映画観たよねぇ。楽しかったな……)
思い出したその記憶は僕の中で、宝物みたいにキラキラ光る。
「雨は夜更け過ぎに~雪へと変わるだろう~♪ Silent night~Holy night~きっと君は来ない~ひとりきりのクリスマス・イブ~♪ ……か」
有名なそのクリスマスソングを、なんとなく口ずさむと、悪い事にますます寂しくなってしまった。
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