I was praying you'd be here with me.
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──I was praying you'd be here with me.──
「はぁぁあぁぁ……」
「昴さん、そのため息、何度目?」
無意識に溢れ落ちたため息に広末そらが、ちょっと呆れ顔になる。
(仕方ねーだろうが。あいつの事を考えると出ちまうんだから)
そう思い少しイラつきながら口を開く。
「うるせーな。ほっとけ!」
明らかに、八つ当たりだと自覚してる。だが、今の心境ではとてもじゃないが愛想良くなんて出来ねー。
今は、十二月二十三日の午後十時を少し回った所。明日はクリスマスイブだ。なのにオレは、東京から離れ神戸に来ていた。
桂木さんから捜査室に応援要請の依頼が入り、明日の夜まで要人警護の任につく事になっている。
うちの捜査室は、警視庁の[すぐやる課]だの[雑用室]と呼ばれる位な部署だ。要請があり、可能であれば何でも引き受ける。
今回、桂木班にとって想定外な事が重なった。先ず、先方の都合で来日がクリスマスまでずれ込んだ。それに加えて、海司がインフルエンザにかかった。感染の可能性がある病気である以上、休ませるしかない。あいにく、他の班も今の時期は忙しい。どうしても部署内だけで、人員を補充出来なかった。
そこでオレに白羽の矢が立ち、急遽出張になったというワケだ。桂木さんにも世話になってるし、桂木班の連中との仕事だ。決して嫌なワケじゃない。
(嫌なワケじゃねーが、何でよりにもよってクリスマスのこの時期なんだ! 間が悪すぎだろ!)
──ふふっ。そんな顔しないの。仕事なら仕方ないじゃないか──
そう笑って送り出してくれたなまえの声が頭を過る。
(オレだって分かってるさ。この仕事をしてる限り、こんな事はざらにある。仕方ねー。あいつだって本当は、がっかりしたに違いない。それを見せずに笑顔で送り出してくれたんだ。その気持ちをムダにしない為にも、しっかり任務をこなさないとな)
そうは思ってる。だが、一日の任務を終えたこんな時間にはつい、ため息が出る。
(結婚して初めてのクリスマスに、傍にいてやれないとはな……)
また、ため息が口をついた。
「昴、すまないな」
その声に顔を向ければ桂木さんが、申し訳なさそうな顔をしていた。
「いえ……」
短く返すと、それを見ていたそらが口を開く。
「分かった。あれでしょ。今回の事でなまえちゃんと、喧嘩になったんでしょ?」
「そうなのか? 昴」
桂木さんが慌てた様子で、訊ねて来る。オレが答える前にそらが続けた。
「だって、クリスマスがダメになった訳だから。やっぱり怒るんじゃない? 女の子は。で、喧嘩になる、ありそうだよね」
「……喧嘩に」
桂木さんが呟いて、すまなそうな顔になった。その横で、更にそらが続ける。
「あっ! もしかして、究極の選択まで飛び出した、とかだったりして」
「そら、究極の選択というのは何だ?」
「ほら班長。アレですよ[私と仕事、どっちが大事なのっ!]ってやつですよ」