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「何よ? なんで私よ?」「お父さんさ、あっちこっちでじゃじゃ馬、じゃじゃ馬って言ってるでしょ? すり込まれたんだ! うんうん、そうに違いない!」「嘘は言ってないわよ。チビ助は、じゃじゃ馬の跳ねっ返りじゃない」「活発なだけだもん、ね? ね? ね?」 石神達に同意を求める彼女。「アンタ、強要してどうすんのよ?」「悪あがき」「がびーんっ! 小笠原さんの、ぼっそりグッサリ、来たーーー! ワーンすぅばるぅー。僕じゃじゃ馬決定みたいだよー。どうするぅ?」 そう言って抱き付いて来るのを、笑いながら受け止めた。「ん、それはしょうがねーな。なまえは出会った時からじゃじゃ馬だったからなー」「えーー、そんな事ないよ?」「ああ? 忘れたか?」「ん?」「校舎の三階から外の樹にピョーンって、猿みてーにジャンプしたの誰だっけ?」「あ、シッ! シィー! な、内緒……」「猿か……そうやな アレはいたずら好きのお猿さんのようやったなー。止めても、このおてんばさんはよう止まらへん。アレはほんーまに、肝が冷えたわ」「窓からですか?」 状況が分からないと言う顔で聞く瑞貴に藤守が続ける。「そうや、あん時は女子高生狙った連続切り裂き事件の潜入捜査中やってん。そんで校舎裏を見回ってた時に、三階から悲鳴が上がってな。チビがダーッと、あっちゅう間にかけて行きよった。ほんでも、三階へ着いてみたら悲鳴はいたずらやったんや。ほんまもんはそん時丁度、学校脇の歩道におって女の子を、襲うとこやった」「階段使ってたら間に合わないかんじでさ、窓からなら……なんとかギリで間に合いそうだったんだよねぇ。だからねー」「『だからねー』やないわ! ほんまに。俺等が三階に着いた時には、今にも飛び出しそうでなぁ。もう窓によじ登っとった」「押さえようとしたんだが、後一歩の所でポーンと飛びやがった。その後も猿か、空中ブランコか、って調子で枝から枝に飛び移ってな、終いにゃ結構な高さのある塀の上からも、ジャンプしたんだ。後を追いながらヒヤヒヤした」「三階から……怖くなかったんですか?」 真壁が驚きながら彼女に聞く。「え? うーん。どうだったかなー……」「ムダ」 小笠原がボソッと言い捜査室のメンバーが、うんうんと頷く。彼女が、困った顔で後ろ頭を掻く。「ムダ、ですか?」 黒澤が聞くと室長がふぅーとため息をつき、それに答える。「そう、このじゃじゃ馬はね。そういう事仕出かす時、多分なーんにも考えてないわよ。ただ目の前の【*マルガイを助けなきゃ】ってそれだけ。猪突猛進のおバカ娘なのよ」「そやな、せやからそのお猿ジャンプの時も、マルガイ庇って*ホシのナイフの前に出た時も、いっこも躊躇せーへん」「チビと組むとハラハラの連続で、ハゲそうになるよ」 如月が、頭を押さえる。彼女は申し訳なさそうに身を縮め、神妙な面持ちになる。「でも、怒られてちゃんと反省した」 小笠原がフォローする。「あ! そうだそうだ。室長が、ピンポイントでチビの弱い所をズバッとつく事を言って……」「チビを泣かせた。パワハラ上司」「うるせー。お前達は、全く。人を悪者みたいに言うな。ダメなものはダメってきちっと教えるのは当たり前だ。チビ助だって説教されたから、考えて反省したんだろうが」「まあ、そんなに責めないでやってよ。泪お父さんだって可愛い娘に泣かれて内心ショックだったと思うよ。まさか泣いちゃうとは思ってなかっただろうからね」「う、うるせー、小野瀬よけいな事言うんじゃねえ。(グビグビと酒を飲む)チビ助、酒」「あ、はい」*マルガイ:被害者*ホシ:犯人
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