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彼女がニッと笑い劇場アナウンスをやる。「ピンポンパンポン♪ ご鑑賞中のお客様にご連絡致します。只今のシーンを持ちまして、なまえ劇場第一幕は終了でございます。この後の第二幕は腹黒設定となりますので、中学生以下のご鑑賞はご遠慮願います。尚、第二幕鑑賞料といたしまして[お酒が一杯]掛かります。係員がお席に回収に参りますので、速やかにお注ぎ下さい。ピンポンパンポン♪」 アナウンスが終わるとグラスを持ち、海司や合コントリオの前へ係員の如く回収に行く。スルスルとまるで水を飲むように酒を飲み、グラスを置くと先ほどの位置に戻り『ブーーー』っと開幕を告げる音を入れ、即興劇を始める。 彼女は頭の回転も、運動神経も、良い。声色もかなりなもの。即興一人芝居には向いているかも知れない。実際、面白いのだろう。酒を飲みながらみんな、見入っている。 物語は、上流階級の家に生まれた兄妹が、同じ上流階級の男を取り合う愛憎劇らしい。事の発端は街外れの森に[禁断の果実がなる樹]と噂される果樹があり、兄はそれと知らずに果実を食べてしまう。口にした果実は[モーホーウィルス]を持つ危険な実だった。そのウィルスは、女には感染しないし害はないが、男が食べると[BL病]という不治の病になってしまう。そんな事があった数日後、普段は踊りになど行かぬ兄が、気紛れで出席した舞踏会。運命の悪戯か、兄はバルコニーで妹と語らう男を見て、恋に落てしまう……。そんな筋書きをギャグや、愛憎交え進めている。 改めて、彼女の頭の回転の良さと、たくましい想像力に驚かされる。学歴は高卒だが、もしも環境が違えば、良い大学も行けたんじゃないかと思う。事によると後輩だったかもと想像する。 なまえ劇場は、初めて見るが確かに面白い。ただ、パジャマとなまえがオレを取り合う愛憎劇という設定は勘弁して欲しかった。パジャマとなんて気持ち悪い事極まりない。 ● ○ ● ○「これにて、なまえ劇場、終了でございます。どなた様も最後まで、ご鑑賞下さいましてありがとうございました。次回、公演は未定でございますが、またお会い出来る事を楽しみに……今宵はお別れで、ございます。それでは皆さま、良い夢を……」 彼女は胸に手を当て恭しくお辞儀をした。
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