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「お、ここだ」「控え室? ねぇ、何すんの?」「今に分かるよ」 ノックをして中に入るとスタッフがもう、来てた。「一柳様、お待ちしておりました。本日担当させていただきます[鈴木]と[内田]です。最初に確認致しますが、本日ご一緒に真山様のお支度をなさりたいと、ご希望されてると聞いておりますが、それでお間違いございませんか?」「はい、そのようにお願いします」「かしこまりました。では、真山様のお支度の後、一柳様のお支度となりますので」 ふと、見ると彼女が強張ってる。これはきっと、かなりあがってる。「はい。あ、それで彼女の支度の後、私もここで着替えますので手配願えますか?」「はい、かしこまりました。ではそのように、ご準備させていただきます。一柳さま、真山さま、本日はよろしくお願い致します」 こういう時は、極力傍にいるに限る。 申し込みの時、一緒に彼女の支度をやりたいと頼んだのは、途中の記録を撮りたかったのと、彼女を一番可愛く綺麗に出来るのは、やはりオレだと思っている事。それと、こんな風に彼女が緊張した場合を考えての事だ。頼んでおいて正解だった。 何をされるのか分からずに少し呆然とする彼女。「大丈夫、きっとお前が喜ぶ事だよ。オレに任せて。お前は楽しみにしてろ、な?」「……う、う、ん」 そうこうする内に彼女の支度は順調に進み、十二単を着たお姫様が出来上がった。オレも衣冠束帯(いかんそくたい)で、腰に太刀を差して笏(しゃく)持って、烏帽子(えぼし)かぶった。 「わあぁ……お雛様。それに昴、リアル男雛だ♪ すごいー! めっちゃかっこいい!」「ふふ……嬉しい?」「うんっ!」「お前も、すっごく可愛いし、綺麗だよ」 ポッと赤くなった彼女とスタジオに移動した。「写真、撮るの?」「もちろん。こんなに綺麗な姫を撮らなくてどうする」「僕、ちゃんと綺麗? 昴の隣に合ってる?」「ああ、すごく綺麗だ。こういうのやりたかったんだろ? 満足した?」「うん、だって昴のリアル男雛見たかったんだもん。最高ーーに、かっこいいよ。昴は、何でも似合うね」 うっとりする彼女と写真を撮り、着替えて食事をした。「おー、コース料理すご……わあ、オマール海老だぁ♪ 美味しーい!」「式場選びの下見の時さ、中で食事が出来たら食べてみような。どんなレベルか分かるし、旨い料理が出せた方が招待客に喜んでもらえるだろ」「なるほど……ん、そうしようねっ! ここさ、結構美味しいね」 ● ○ ● ○ その後、大型ショッピングモールに寄った。「昴ぅー、男ものだから一緒に選んで」「男もの?」「うん、プレゼント。何が良いかなー?」 のん気そうに言って、キョロキョロしている彼女の両頬を挟み、オレの方に向けさせる。「ちょっと確認なんだけど……それ、オレのじゃねぇよな?」「うん、違う。昴も何か欲しい?」「違う、そういう事じゃねーよ。あっ! もしかして来月のパジャマの誕生日プレゼントかっ?」「おぉーさすが! 誕生日覚えてるんだー。仲良しさんだけあるなぁ。そう、もうすぐお誕生日だって黒澤さんのメールに書いてあっぶっ、うにゅっ」 オレは頬の手を、両側から内にぎゅっと押した。彼女は妙な声を出しタコみたいな口の、ヘンな顔になった。『ヘンな顔の刑』と言うと彼女が慌てたようにもがいて、オレの手をはずした。
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