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着いてみると明るい、雰囲気の良いカフェだった。「あ、隅にモーニングセットのパンメニュー選べるって、小さく書いてある。お前、エッグベネディクトより違うのが、良いだろ?」「うん、違うのが良い」「ミックスサンドイッチに、ホットサンドに、パンケーキ、それからバーガー、ソーセージマフィン……この中だと、サンドイッチか?」「うん! サンドイッチとカフェオレ、スープはポタージュの方で」「了解。すみません──」 注文を済ますと彼女が、頬をゆるめてふにゃと笑った。「ふふふ……」「ん? 何?」「さすが昴。僕の好み、ちゃーんと分かってると思って」「当然。お前意外に好みあるからな。たまごは好きだけど黄身が固まってないのは、イマイチだろ? パンはあんまり好きじゃない。中でも固いのは特に苦手。パンの耳も苦手。パンケーキは好きだけど、おやつの認識だから朝ごはんにはイマイチ。朝からバーガーは重すぎてダメ。残りマフィンとホットサンドとサンドイッチ。それならサンドイッチが一番好きだよな」「当たりー」「苦手でも食べ物は粗末にしない主義だから、無理にでもちゃんと食べるよな。だけど、オレはお前が旨そうに食う顔が好きだからな。ちゃーんと把握して、美味しく食えるようにしてやりてーんだよ」「えへへ。なんか、愛情いっぱい。嬉しい……」「ふっ……そんな苺みたいな頬っぺすると、とって食うぞ?」「え? お、お外でそれは困ります」「んー、予定がなきゃどっか連れ込みてー所だけど。ま、それはまた後でな」「……もー、朝からからかわないでよぉ」 赤くなり恥ずかしがる彼女にクスッと笑う。 店内を見まわしたり、時々お喋りをしたり──そんな風に待っていると、彼女がふと思い出したように言った。「あ、そうだ! 後で買い物もしたい」「買い物か。なら、帰りにショッピングモールにでも寄ろう」 それから朝食を済ませて目的地へ向かった。 ● ○ ● ○「結婚式場? 何、下見かなんか? それとも、ブライダルフェアとか?」「ブ、ブーゥー! 残念、ハズレー。おいで」 彼女の手を引き受付カウンターへ行く。「予約した一柳ですが」 手続きを済ます間、彼女はキョロキョロと辺りを見てまわった。手続きが終わり迎えに行くと、ウィンドーに飾られたウェディングドレスをほわんとした顔で見てた。「なまえ」「あ、昴、見て見て! 綺麗なドレス」「ん、綺麗だな。オレ達の時は大変だぞ? 白無垢に、色打ち掛けだろ、後、ウェディングドレスに、カクテルドレス」「え?」「ウェディングドレスも3wayドレスにすると、その分のお色直しもある」「そ、そんなに?」「だってお前、泪お父さん楽しみにしてるぞ。『ケチケチして粗末に扱うなら、娘はやらん! 吊るす!』とか言ってたしな。ちゃんとやんないと、オレ警視庁に吊るされちゃうよ」「でもそんなには、時間的にも無理なんじゃ……」「二回やるか?」「ええーっ!」「ま、後で検討しよ。とりあえず行こう」 目を白黒させる彼女の手を引いて移動する。途中、無理やりトイレに行かせ、控え室のある階に連れて行く。
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