大雪の中で。
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定主人公は男装女子なので男でも女でも通用する名前がおすすめ。
例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
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彼女が『昴……』と愛しげにオレの名を呼び、そっと頬に触れる。
「愛してる……愛してる……僕、生きてて良かった。また昴に触れられて良かった」
「……ああ、助かって良かった。なまえ、愛してるよ」
「うん、うん、ごめんね……」
彼女が、オレに謝り泣き出す。まぶたや涙に濡れた頬に口づけて、抱きしめる。よし、よしと優しくなだめながらしばらくそのままでいた。
おそらく、精一杯我慢していたであろう涙を無理に止めたくなかった。泣きたいだけ泣かせてやりたかった。
いつも凛として強く明るい彼女だけど、実は色々我慢してる。彼女は、本当は繊細で怖がりで泣き虫だ。
オレの前では本当の、自分をさらけ出していられるように受け止めてやりたい。
ひとしきり泣くとようやく落ち着いて来たみたいだ。目の周りと鼻が赤くなった彼女を覗き込み聞く。
「喉渇かねーか? 飲む?」
『うん』と頷く彼女にテーブルの上のサルヴァーからカップを取るが、既に冷めている。あったかい方が良いだろうと『待ってろ』と彼女を下ろそうとした。途端に『ヤダ!』としがみつく。
「うん? キッチンにちょっと行くだけだぞ? 今日はさ、あったかいので身体あっためた方が良いだろ?」
「うー……」
捨てられる仔犬みたいな顔で上目遣いにオレを見る。
(……ダメだ。そんな顔見たら、オレが放したくねー)
「しょーがねーなー。一緒に行くか。じゃあほら、おぶされ」
ソファーに背を向けて腰を落してしゃがむと、彼女が背中におぶさった。サルヴァーを持ち『ちゃんと掴まってろよ』と言うと『あーい』と子供みたいに返して来る。クスッと笑い彼女とキッチンへ行く。レンジにココアの入ったカップを入れ待つ。彼女はオレにくっつき『あったかい……』と心底ホッとした口調で言う。ポンポンと子供をあやすように尻を叩く。
「そういえば、あの夜も昴におんぶされたね。昴の背中、安心する……」
「あの時も言ってたな」
「安心する、って?」
「ん、あとな『すばぁるぅ、すきぃ』って。酔って呂律がまわってなくて……ぎゅってしがみついて来てな」
「ええー? 覚えてないよ……恥ずかし……」
「だけど、めっちゃめっちゃ可愛かったぞ? きゅんと来た」
「……そう、なの? メロメロきゅん?」
「ふふ……メロメロきゅんか。ん、メロメロきゅんだった。今もずっとメロメロきゅんだ」
「えへへ……僕もずっとメロメロきゅん。大好き……」
彼女が後ろから頬にちゅっとキスをする。
「オレも。なまえが可愛くて、可愛くて、大好きだ」
「僕達さ、今バカップルっぽいよね。ふふ……あー! 日常に戻れたー」
「なんだ? オレ達の日常はバカップルか?」
「ん? そう。だって昴言ったろ? バカップルは、それだけ幸せって事だって。僕の幸せな、大事な日常が戻って来たって事だもん」
ソファーに腰掛け、ココアをフーフーしてから渡してやる。
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