大雪の中で。
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例えば、
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室長も同じ事を考えてたらしく、渋る隊長に有無を言わさず話をつけて来たようだ。
それから、首に負担がいかないように準備して、オレ達とレスキューの連中でおもいっきり引っ張った。少しずつ動くものの、一度でスポンと抜けるワケもなく、一回、二回と、引っ張るしかなかった。なまえの事だから、きっと我慢してる。それでも、引っ張る度に痛いらしく顔が歪み『うぐっ……』と声が漏れる。コンクリートで擦れ血が出てる所もあり、痛々しい。
数回目で、何とか側溝から彼女を救出出来た。そのまま待機していた救急車で病院に運び治療を受ける。みんなも救急車の後についてやって来た。
全ての騒動が終わった頃には、もう午前三時をまわっていた。彼女もオレも、それからみんなもぐったりとしていた。室長が明日は二人とも休めと休暇をくれたので、お礼を言ってみんなに挨拶をして彼女を連れて帰宅した。
医師から『急激にあたためる事はやめて下さい』と言われたのでかなりぬるめのお湯を入れ、彼女の頭と身体を洗った。彼女の身体にはあちらこちら擦り傷やアザ、人の手の痕が出来てた。
(本当に、助かって良かった)
心の底からそう思った。
彼女が危ない目に合う度に、口にはしないが[刑事を辞めたらどうか?]と言ってしまいたい気になる。
(それをオレが口にすれば彼女はきっと言う通りに、辞めてくれる気がする。でも心を押し込めた分、彼女の笑顔が消えてしまう可能性が強い。オレは彼女の笑顔も、守りたい。それに日々誇りを持って懸命に職務をこなす彼女に、それを言うのはオレのエゴだ)
浮かぶ弱気を直ぐ様、打ち消す。
ふと『肝は小さいのねえ』と言った室長の言葉が過る。
(……はぁあぁ。確かに、小せーな。だけど、あの人もやっぱり彼女に惚れてるんじゃねー? …………。負けてらんねー)
キッチンに飲み物を取りに来て一人考え込んでいると、クイ、クイと遠慮がちに服を引っ張られた。見るといつの間にか彼女が来ていて、何か言いたげな顔で見上げてた。
「ん? どうした? どっか痛い?」
「……あのさ、もうがんばんなくても良いよね?」
「ああ、いいよ。……あっちに座るか」
手を引きリビングに戻る。カップの乗った角形のサルヴァーをテーブルに置き、ソファーに掛けて向かい合うように膝の上に彼女を乗せる。彼女がおずおずと口を開く。
「弱虫でも、……許す?」
「ああ、弱虫でいいよ」
そっと頭を撫でると、彼女が抱きついて来る。そのまま、包むように彼女の身体に腕をまわした。
「……怖かった、寒いし冷たいし。もう死んじゃうかと思った。途中で……みんないなくなっちゃうし、今死んだらもう昴にもみんなも会えないんだって焦ったよ?」
「うん、怖かったよな。一人にしてごめんな」
「もっとくっついて? まだちょっと怖い……」
「じゃあ、怖くなくなるおまじない」
そういっておでこ、まぶた、鼻の頭、両頬にちゅっ、ちゅっとキスを落とす。愛しさを込めて、優しく大事なものに触れるように、沢山のキスをした。