大雪の中で。
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定主人公は男装女子なので男でも女でも通用する名前がおすすめ。
例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
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傍に行き、頬に触れると氷のように冷たくなっていた。胸が締め付けられる。『ごめん。ここにいるよ』と言うと『あ、昴、いた。もーどっか行かないで、ここにいて?』と哀願するように言う。
「ああ、もうどこにも行かねーから安心しろ」
「良かった……。ねぇ室長は?」
「チビ助、ここにいるぞ。後少しだからがんばれ」
「室長ー。任務、どうなりました? また僕がドジったせいでこんな事に。……迷惑、掛けてごめんなさい」
「何、言ってるのよ。任務遂行中の事故でしょう? それに、アンタ、子供助けたのよ。偉かったじゃない」
「子供……そうだ! あの子、無事なの? ケガは?」
「無事よ。はねられでもしたら、おチビだから危なかっただろうけどね、アンタが頑張ったからピンピンしてる」
「そうか、良かった……」
始めの内は普通に話していたが、段々『寒い、寒い』と呟くようになった。
(早く出さねーとヤバい)
そうひしひしと感じた。室長も同じように感じたのかも知れない。進まない作業の方に目を向け、顔を歪め何か思案するように黙り込んだ。
「ねぇ……僕ぅ、死ぬかな? 今、こんな風に死ぬと、室長やみんなに迷惑が掛かるよね?」
と、ぽつりと言った。もはや、彼女は強がる気力さえ無くなって肉体的、精神的にも本当に限界に来てるようだ。
(でも本人が諦めたら、気力が尽きたら、終わりが早まる気がする。何とか元気付けねーと)
そう思い口を開き掛けた時、室長が彼女の頬をペチペチと軽く叩き、自分に気を向けさせると叱咤するように言った。
「チビ助! しっかりしなさい! らしくないわね。アンタは【夜叉の真山】で【桜田門の悪魔】の娘でしょ? 根性みせなさい! 自分に負けるんじゃないわよ! いい?」
「は、はい! が、がんばります」
「よし! そうよ。こんな所で死なれちゃ、大打撃よ。そうだ。アンタ、腕、一本諦める?」
『ええーっ!』これにはオレも彼女も驚いた。
「腕、切るって事ぉ?」
彼女が目を瞬きながら聞く。室長は平然と『だって、死ぬよりマシでしょう?』と言って退けた。
「ちょっと室長、そんな簡単に言わないで下さいよ! 大根ぶった切るのとワケが違うんですよ?! なまえの大事な腕なんですよ?」
オレは焦り言うと、室長はいつもの口調で事も無げにサラッと言う。
「あら? 何? 昴、片腕のチビ助じゃ、イヤな訳? 昴って、アソコと違って肝は小さいのねえ」
「はあ?! 何言って──」
面食らうオレを遮り室長は、びっくりする事をまた言い出した。
「いいわ。昴が嫁にもらわないなら、私がもらうわ。そうねえ、片手でもご飯の支度は出来るように練習しなさいよ? そしたら、三食昼寝付きで飯炊き女として嫁にもらってやるから」
「な、な、何を……」
「な、な、じゃないわよ、昴。私は本気だからね。だってアンタ、チビ助の腕一本と、チビ助の命なら、私は命がある方がいいわー。チビ助。アンタが諦めたらね、腕ちょん切って引っ張り出すからね? イヤなら頑張りなさい」
(この人は……なんて無茶苦茶な……)
呆気に取られぽかーんとしてると、彼女が『クッククク……』と笑い出し『おかしー』と言いながら『お父さん、スゲーな。やっぱただ者じゃねー。クックク……ひゃひゃひゃ……』と大笑いし始めた。
「あーら? なーんだ。まだまだ元気あるじゃないよ。それだけ元気なら大丈夫ね。ま、最悪の場合は麻酔でも打ってもらって肩外してでも絶対に助けるわ。っていうか、それやってもらう?」