大雪の中で。
夢小説設定
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例えば、
ユキ、ジュン、アキラ、カオル、ユウキ、ヒカル、チヒロ、ケイ、ナギサ、ハルキ、ミチル、シノブ、ハルヒ、レイ、レン、リン、ミライ、ヒナタ、ユウリ、マコト、マスミ、ミソラ、ハヅキ、カヅキ、ヒロ、ユウ、シュウ、ハル、ナツキとか?
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「チビ助、ちょっと痛てえかも知れねえが、我慢出来るか?」
「えへへ……僕を誰だと思ってるのさ」
寒さで震えながら、精一杯気丈に明るく言って笑ってみせる彼女に、室長がフフンと笑い答える。
「さすが、うちの娘ね。お父さん達がきっと助けるから、頑張るのよ」
「うん、大丈夫。みんながいるから、僕大丈夫だよ」
合図と共に引っ張る。ほんの少しずつ、動いているようだがなかなか出ない。耳が擦れて血が出る。引っ張る度に、顔が引きつる。
頭を支えながら、それを見るのがツラくて『なまえ……』思わず溢したオレに、彼女は『えへへ、昴、大丈夫だって。そんな顔するなよ』と笑う。
その頃になって、小笠原が手配したレスキューが到着した。現状を確認、救出方法を検討しているようだ。レスキュー隊が、ブルーシートで雪を避け、簡易待機所を設置した。
オレ達は簡易待機所で待つように言われ、彼女から引き離された。ブルーシートに囲われて、状況がこちらからは全く掴めない。さっき聞いた所によると、中では周りの雪をどかす作業から始めてるらしい。
室長は他の部署に任務を変わってくれるよう依頼し、オレ達は交通課の連中に謝り、引き継ぎをして任務から離れた。そうこうして待つ内に、小野瀬さんと小笠原が来た。それだけ時間が経ったと言う事だ。
(きっと不安に違いない。傍にいてやりたい)
そんな事を思いジリジリしてると、我慢してた室長がついにキレた。レスキュー隊長に食らい付くように文句を言う室長。
「ちょっと! 慎重にってのも分かるけど、早くしないとあの子死んじゃうわよっ! 死んじゃったら慎重も何もないわ!」
「室長! 落ち着いて下さい!」
「穂積、大丈夫、大丈夫だよ。あの子は、おチビちゃんは死なないさ」
藤守と小野瀬さんがなだめる。と、そこへレスキューの隊員が『昴さんと室長さんと言うのは、どなたですか?』と駆け込んで来る。聞けば、なまえが呼んでるらしい。寒さと不安に耐えていたが、疲労感や倦怠感にみまわれ始め、我慢出来なくなって来た様子だと言う。それを聞いた小笠原が『如月、それ、マズいんじゃないの?』と聞いた。
「う、うん、その症状の次に思考力の低下して、意識が朦朧となって、恍惚状態になるんだけど…………」
途中で言葉を区切った如月に、イヤな予感を感じながらオレは聞く。
「その後、どうなるんだ?」
「そ、その後は、その後は……意識を失って……そのまま、死ぬよ……急がないと本当にヤバいよ! チビが、チビが死んじゃう! 室長、マジヤバいですよ」
「本当なんですか?」
明智さんがオレを呼びに来たレスキュー隊員に聞くと、レスキュー隊員は視線を逸らし言い難そうに『はい』と答える。
「ですが、我々も必死に色んな方法を試し救出しようとしています。諦めないで下さい。とにかく、今は彼女を励ましてあげて下さい。この状況で生きる気力が無くなると本当にマズいです。昴さんに、室長さん、一緒に来て下さい!」
急いでついて行くと血の気が失せ、唇が紫色になった彼女が黒い瞳を潤ませて『みんなは? 昴ー、いないのー? 室長ー。……一人にしないでよぉー。昴ーぅ。どこー?』とオレ達を呼んでいた。
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