大雪の中で。
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例えば、
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帰宅後、夕飯の準備にキッチンへ立つ。なまえも来て、今夜は鍋にしようと二人で支度をする。
「鍋はこれでよし。なまえ、熱燗で一杯やるか?」
「うん、やるぅー。やったー! これ運ぶね。熱燗、熱燗♪」
にこにこしながら、土鍋を運ぶ彼女の背に『火傷すんなよ?』と声を掛け湯煎器に熱湯を注ぐ。酒瓶と一緒にこたつに運ぶと、彼女が天気予報を見ていた。『……南岸低気圧の影響を受け、九州から東海は広く雨が降っています。今夜未明から山沿いを中心に雪になる所もあるでしょう。関東甲信や東北の太平洋側では、再び広い範囲で雪が降り始めています。この雪は今後、記録的な大雪となる可能性が──』テレビから聞こえて来る情報に、ため息が出そうになる。彼女が窓辺に立ち、外を覗く。
「本当だ。降り始めてる。もう、うっすら白くなってるよ」
「またか?」
『うん』と言いながら、戻って来る。こたつに入り『また、呼び出しかも。やっぱり、飲まない方が良いかなー』と酒燗器に目をやり、ちょっとしょんぼりした。オレも窓辺に行き雪の状況を確認し、こたつに入る。
「ま、あの位じゃ大丈夫かも知れねーし、少し位なら良いだろ。それに、まだ呼び出しが来たワケじゃねーからな」
オレの言葉にパーッと明るい顔になる彼女にクスッと笑い、ぐい飲みに酒を注いで鍋を取ってやる。オレはウーロン茶にした。
「昴、飲まないの?」
「ん? 万が一、呼び出し来たら車出す事になるしな」
「えー、なら昴が飲んでよ。ね? 僕がウーロン茶にするから。大丈夫、僕、雪道もバッチリ運転出来るから。任せて──」
「いーの、遠慮すんなよ。ほら、かんーぱーい」
「でもー……」
「オレは旨そうに飲み食いするなまえの顔が見られる方がいーの。さっきみたいにさ、にこにこしてくれよ。な?」
そう言うとようやく、ちびちび飲み始めた。
「しかしさ、お前が見つけた酒燗器、買って良かったよな。なまえのおかげで、良い買い物をした」
この美濃焼の黒結晶酒燗器は、大型ショッピングモールに買い物に行った時に、なまえが見つけて欲しがった。湯煎器に熱湯を入れ付属の二合の徳利をセットすると、だいたい約二分で熱燗が出来、湯煎器に徳利をセットして置けば最後まで冷めずに熱燗が飲める。夏は氷水を入れて冷酒用でも使える。
オレが褒めると『えへへ』と猫みたいに目を細め笑う。
「これね、美味しいお酒が飲めるお店紹介する番組で見た事あって、良いなって思ってたの。それが、たまたまあそこで見つけてね。これは買いー! って思ったんだ」
「うん、これは買いだったな。ほら、鍋も食べろ。取ってやる」
「あ……ありがと。ごめん。気が利かなくて。言われる前に、僕が気付いて昴に取れば良かった」
「バーカ、そんな事気にすんな。オレは、お前を構うのが好きなの。やらせとけ」
「んー、お世話になりますぅ」
ぺこっと下げた頭を撫でる。
「ん、それに……姫、ご褒美のキスくれるんだろ? 愛情たっぷりのスペシャルなやつ」
その言葉にクスッと笑い彼女は隣に座るオレの首を引き寄せ、チュッ、チュッ、チュッと軽く唇や頬にキスをくれた。
「えー? 今のスペシャルか? 全然物足りない……」
「違うよ。スペシャル、後でね。今ご飯中だから。鍋味のキスになっちゃうかなって。とりあえずだよ」
「ふぅーん。とりあえずか、じゃ楽しみにしとこ。ほら、どんどん食え。旨い? って、もう旨い顔してるな。ハッハハ」
「うん、超うまーい! 食べ過ぎそう。昴もたーんと召し上がれ」
楽しく夕食を食べ、さて風呂にでもと思ってると携帯が鳴った。
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