あなたにチョコレート。
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例えば、
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「チビ助ー、お父さんと飲みましょー。美味しいお酒、持って来たのよ。アンタ好きでしょ」
『はーい』と返事をして彼女が室長の隣に行く。彼女が座ると、室長がオレに手招きした。
「昴ー、アンタも飲むわよー。はい、はい、チビ助、飲んで飲んで。ほら、ほら、昴も! もうー他の連中は小野瀬に任せちゃいなさいよ。さあ、かんぱーい!」
見たことない位、ご機嫌な室長の音頭で好き勝手に飲み会が始まった。
「おぉーこの酒、うっまい! 僕、この酒好き」
「でしょ。好きなだけ飲みなさーい。あーいい気分だわ。昴もバンバン飲みなさいよ」
「室長が、こんなの珍しいね」
小笠原が物珍しげに言う。藤守が室長を見ながら目を細め、微笑んで返す。
「そうやな。ご機嫌や。よっぽど嬉しかったんやな」
「嬉しかったって、やっぱりチビチョコが、ですかねー?」
「そりゃそうやろ。わざわざ自分仕様に考えてくれたら、やっぱり嬉しぃんちゃうか。如月、お前かて嬉しいやろ?」
『ですねー』と頷く如月。室長と旨い、旨いと楽しそうに酒を酌み交わす彼女を眺めながら呟く。
「なるほどな。なら、あいつが頑張った甲斐があったワケだ」
「おや? 昴くんヤキモチ妬かないの?」
「そうですねぇ……あいつのあんな楽しそうな顔見たら、妬けないでしょ。それに、あんなの見ると、オレまで幸せな気がして来るんですよ」
『なるほどね』と納得する小野瀬さん。
「ほんま、楽しそうな、いい顔しとるわ」
「さ、オレ達も行きますか」
「ですねー」
彼女の隣へ行き、楽しそうな二人に交じる。それを見た他の連中も寄って来る。彼女と室長を中心にして、黒澤や桂木さん達も集まり旨い酒を酌み交わす。
彼女と室長の楽しげな雰囲気が伝わるんだろう。皆にも笑顔が浮かんでいる。本当に楽しそうだ。
ふと見れば、いつも無愛想な横分けコンビまで心なしか楽しげでオレはちょっと驚く。
(せっかくのバレンタインを邪魔されたが、ま、しょーがねーか。それに……たまにはこういうのも悪かねーな)
そう、胸の内で呟いて酒を飲む。
● ○ ● ○
こうして、今年のバレンタインの夜は、大勢で和気あいあいと過ごす事になった。
でも、ちゃんと二人でもバレンタインしたしな。
可愛いプレゼントも、コンフィチュールも、もらった。
彼女のおかげで、今年も充分に良いバレンタインだった。
(さて来月、何をしようか。去年のことを思い出す。丞一郎の店に行ったんだよな……今年はどうするかな。その時期に、でかい事件が起こらねーと良いなー。彼女が楽しめて癒されるような日にしてーもんな)
「ふふ……」
「あ?」
「また、百面相になってるよ」
「そう?」
「うん、昴……可愛い」
彼女が頬にチュッとキスをする。
(なんとなく……甘えてる?)
オレは、考えるのは後にして彼女を抱き上げた。
「うん?」
「バレンタインのリベンジ」
チュッと軽くキスをして甘い時間を過ごす為にリビングを後にした──。
あなたにチョコレート。
End.
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